令和6年度九州大学基金

個人・法人 2,517(延べ件数)

総額 293,672,774

2024年11月30日時点

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立石 英司 様(1996年経済学部卒業)
立石 英司 様(1996年経済学部卒業)
学生生活は、真面目とは言い難いものでしたが、様々な機会や経験を得ることができ、今につながっています。家庭の事情で仕送りが厳しかったこともあり、昼は喫茶店、夜は専門学校や塾、家庭教師のアルバイトに明け暮れていました。それらもあり、教育に興味を持ち、母校(長崎県立佐世保南高校)の教育実習に行くため教育系の単位を取り、教育実習にもいきました。教育実習は5月くらいだったと思います、当時の就職活動の時期と重なった関係で、1年半休学して就職活動を行うこととしました。その間、先のアルバイトに加え、不動産会社、基礎化粧品の販売等でお金を貯め、バックパッカー(イギリス・アイルランド)として貧乏旅行をしたことも良い想い出です。また、アルバイトを通じ、時給で働く、ということの収入や生活の上限の壁を感じ、仕事とのかかわり方を考えないといけないと感じた学生時代でした。不透明な時代・停滞感・100年時代。悲観的に見えるキーワードを並べましたが、今の研究者・学生の皆さんの将来は、状況認識とマインドセット一つで明るいものになると確信しています。なぜか。東京でもニューヨークでもパリでもロンドンでもない、豊かでアジアの玄関口としての国際性を有した博多から冷静に世界を眺めることができ、首都圏等と比較して恵まれた自然・生活環境で学ぶことによる余裕・ポテンシャル(伸びしろ)を持ち、大学教育の充実に力を入れている場で学んでいるからです。インターネットを介し、世界中が繋がり、メッセージを発し、一見、人類は進歩を遂げているような印象があります。また、世間・世界からのレスポンスは迅速になり、いろんな情報やモノは素早く手元に届くようになってきている、という印象があります。さらに、やりたいことを探す、なりたい自分になる、という自己実現の機会が提供されている、という印象があります。ですが世界は正しい判断が出来ているでしょうか。冷静に眺めることが大事だと思います。私は結果、グローバル企業に入社しましたが、入社当時、首都圏の有名大学や海外留学組などの中、コンプレックスを感じました。福岡では知らない人がいない有名大学ですが、日本からみても、世界から見ても知名度は当時は低く、同大学出身という経歴は何の役にも立ちませんでした。そのコンプレックスが、今の私を作る原動力の一つになりましたし、プライドの裏返しである、そういうコンプレックスを感じることが、皆さんの今後の成長の起点になると思います。不透明な時代こそ俯瞰した視座から冷静に眺め、グローバルの中でのローカルという価値観から社会の停滞と福岡のローカル経済を眺め、100年時代の時間スパンの中で都会的豊かさだけではない豊かさを知る皆さんにとって、長い人生での総和的豊かさを考える、そういう機会とポテンシャルを皆さんは持っているからです。今の会社におけるグローバル企業での様々な経験を通じ、自分のキャパシティや多様性を作りあげていくことの重要性を感じていること、また、子供の大学進学などを考えるにあたって、改めて教育に微力ながらご支援したい、ということがきっかけでこの度寄附をすることといたしました。学生そして研究者の皆さん、頑張ってください。外資系コンサルティング会社勤務・執行役員立石 英司
武内 英一郎 様(1978年芸術工科大学(当時)環境設計学科入学)
武内 英一郎 様(1978年芸術工科大学(当時)環境設計学科入学)
1978年4月、九州芸術工科大学環境設計学科に入学しました。11期生でした。入学して間もないゴールデンウィークの頃、いきなり家を一軒設計する課題が出されました。建築の「け」の字も学んでない新入生には無茶な注文でした。その後も半期ごとに様々な課題が出され、製図室で同級生たちと徹夜する日も多くありました。1クラスに30人しかいなかったので、かなり密度の濃い人間関係を作ることが出来ました。十数年前、私が株式会社南陽の社長を勤めていた際、現在の本社屋を建てましたが、施工は環境設計の同級生、内装は工業設計の同期生が担ってくれました。学生時代のように、彼らと楽しく議論しながら竣工の日を迎えることが出来ました。後輩の皆さんにも同じような良き人生を送って貰いたくて、今回九州大学に寄附をさせて頂きました。小生は4年生の時、思うところがあって、アメリカに渡り、そのまま彼の地の大学を卒業しました。その母校は個人実業家が私財を投じて設立した学校です。在学時にも、巨額の寄附が個人から寄せられていました。近隣の大学も同様でした。カルヴァン主義に根差して、個人の所得水準の感覚も違うし、自力で得た富を浪費せずに再投資や寄附に費やす。それが、当たり前の文化なのです。日本では彼らの様にはいかないが、少額であっても自分の出来る事を続けていきたいと思っています。株式会社 南陽代表取締役会長 武内英一郎写真は芸術工学部先立事務部長と南陽会長(右)