Adobe AIR 2.6 開発者向けリリースノート
このたびは、Adobe AIR 2.6 開発者向けリリースノートをご利用いただき、誠にありがとうございます。このアップデートには、Android および iOS 向けのモバイルプラットフォームの拡張サポートと、セキュリティ、安定性、パフォーマンスおよびデバイスの互換性に関するバグ修正が含まれています。
必要システム構成
AIR ランタイムの必要システム構成
Windows | Macintosh | Linux | Android | iOS | |
プロセッサー | 最小要件:Intel® Pentium® III 1 GHz 以上。推奨要件:Pentium 4 2 GHz 以上 | Intel Core™ Duo 1.83 GHz 以上 | 最小要件:Intel® Pentium® III 1 GHz 以上。推奨要件:Pentium 4 2 GHz 以上 | ARMv7 プロセッサー(ベクトル FPU 搭載)550 MHz 以上、OpenGL ES2.0、H.264 および AAC ハードウェアデコーダー | iPod Touch 第 3 / 第 4 世代、iPhone 3GS および iPhone 4、iPad |
オペレーティングシステム | Microsoft® Windows® XP Home、Professional または Tablet PC Edition(各 64 bit 版を含む)SP2 または SP3、Windows Server® 2003、Windows Vista® Home Premium、Business, Ultimate または Enterprise(各 64 bit 版を含む)SP1、Windows 7(64 bit 版を含む) | Mac OS X 10.4、10.5 および 10.6 | Fedora Core 13、Ubuntu 10.10、openSUSE 11.3 | Google Android™ 2.2、2.3 および 3.0 | OS 4 以上 |
メモリ | 最小要件:512 MB の RAM。推奨要件:1 GB の RAM | 最小要件:512 MB の RAM。推奨要件:1 GB の RAM | 1 GB の RAM | 256 MB の RAM |
Linux ディストリビューションに関するその他の必要システム構成
サポートされているデスクトップ環境 | GNOME および KDE |
パッケージ管理システム | RPM および Debian |
GTK+ の最小バージョン | 2.6 |
ウィンドウマネージャー | Metacity(GNOME のデフォルト)および KWin(KDE のデフォルト) |
透明効果 | AIR アプリケーションで透明効果をサポートするには、コンポジット型ウィンドウマネージャーおよび追加の X サーバー拡張機能が必要。対応するコンポジット型ウィンドウマネージャー:Beryl、Compiz、Compiz-fusion。対応する X サーバー拡張機能:Composite、Render、Shape |
Flash Player | Web からのシームレス(バッジ)インストールには Flash player 10.0.15.3 および以降のバージョンが必要 |
Linux 上の AIR 2.6 で必要なライブラリ
Linux で AIR 2.6 を実行するために必要なライブラリの一覧は、アドビナレッジベースの記事 http://kb2.adobe.com/jp/cps/838/cpsid_83888.html に掲載されています。
サポートされている言語
Adobe AIR 2.6 のインストールと実行時のユーザーエクスペリエンスについて、次の言語がサポートされています。
- 中国語(簡体)
- 中国語(繁体)
- チェコ語
- オランダ語
- 英語
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- 日本語
- 韓国語
- ポーランド語
- ポルトガル語(ブラジル)
- ロシア語
- スペイン語
- スウェーデン語
- トルコ語
バージョン情報
- AIR 2.6 に含まれている WebKit は、Safari 4.0.3 に付属している WebKit を基にしたバージョンです。
- AIR 2.6 に含まれている Flash Player のバージョンは 10.2.159.1 です。
AIR 2.6 の新機能
AIR 2.6 名前空間の更新
AIR 2.6 の新しい API や動作を利用するには、2.6 名前空間を使用するようアプリケーション記述ファイルに変更を加える必要があります。AIR 2.6 の新しい API や動作を必要としないアプリケーションについては、名前空間の変更は必須ではありませんが、今のところ新機能が不要であっても、AIR 2.6 名前空間に移行することをお勧めします。新しい名前空間を使用するには、アプリケーション記述子内の xmlns
属性を次のように変更します。
<application xmlns="http://ns.adobe.com/air/application/2.6">
モバイルアプリケーション用の新機能
iOS のサポート
AIR 2.6 では、iOS 4 用アプリケーションのパッケージ化をサポートしています。iOS 3 はサポートしていません。
- iOS のサポート:4.0 以上
- iOS のハードウェアサポート:
- iPod Touch 第 3 世代および第 4 世代
- iPhone 3GS および iPhone 4
- iPad
iOS アプリケーションのパッケージ化に関する PFI から ADT への変更
iOS アプリケーションのパッケージ化に PFI コマンドラインツールは使用されなくなりました。iOS アプリケーション(IPA ファイル)は ADT コマンドラインツールを使用してパッケージ化できるようになりました。このツールは AIR 2.6 SDK の bin フォルダーにあります。IPA ファイルをパッケージ化するコマンドラインの構文は、これまでと同じです。
「モバイルデバイス向けの AIR アプリケーションの開発」を参照してください。
「Packager for iPhone」を使用して構築された iOS アプリケーションを AIR 2.6 で更新できない
AIR 2.6 では iOS 3 および armv6 デバイスはサポートされていないので、既存の AIR for iOS アプリケーションを AIR 2.6 にアップデートすることはできません。このようなアプリケーションは、Packager for iPhone を使用することで、引き続きサポートできます。Packager for iPhone は、Flash Professional CS5 に付属するものを使用するか、Adobe Labs から入手できます。
Apple 社のテクニカル Q&A QA1623 を参照してください。
iOS 向けの GPU レンダリングでの変更点
AIR 2.6 では iPhone での GPU レンダリングの機能が変更されています。新しいレンダリングは、AIR 2.5 for Android の GPU モードと同じように機能します。GPU モードは、アプリケーション記述子内に <renderMode>gpu</renderMode> を指定することで、有効になります。
「モバイル AIR アプリケーションでの GPU レンダリング」を参照してください。
iOS でのマルチタスクのサポート
iOS 4 上の AIR アプリケーションは、バックグラウンドに移動された場合でも、継続して実行されます。AIR アプリケーションは、バックグラウンドに入ると一時停止され、フォアグラウンドに戻ると一時停止が解除されます。アプリケーションが一時停止される前に、flash.desktop.NativeApplication オブジェクトが DEACTIVATE イベントを送出します。アプリケーションの一時停止が解除されると、flash.desktop.NativeApplication は ACTIVATE イベントを送出します。アプリケーションがバックグラウンドにある間、ソケットイベントのハンドラーの実行が継続されます。
iOS でのマイク
サポートされている iOS デバイスで、マイクからオーディオをキャプチャできるようになりました。これには、flash.media.Microphone クラスを使用します。
iOS でのカメラロールからの読み取り
デバイスのカメラロール内のイメージを参照するアプリケーションを作成できるようになりました。これには、flash.media.CameraRoll クラスを使用します。
iOS での CameraUI
デバイスで、デフォルトのカメラアプリケーションを使用して静止画またはビデオをキャプチャできるようになりました。これには、flash.media.CameraUI クラスを使用します。
iOS でのカメラ
アプリケーションで、デバイスのカメラからビデオにアクセスできるようになりました。これには、flash.media.Camera クラスを使用します。前面および後面の両方のカメラにアクセスできますが、一度に使用できるのは 1 つのカメラのビデオのみです。
AIR for iOS での Retina ディスプレイのサポート
Retina ディスプレイを搭載したより高解像度の iPhone および iPod デバイスを、AIR アプリケーションで使用できるようになりました。フル解像度(960 x 640)にアクセスするには、<requestedDisplayResolution> 要素をアプリケーション記述子に追加して値を high に設定します。
高解像度モードでは、高解像度ディスプレイで各ピクセルを個別に扱うことができます。標準モードでは、デバイスの画面は標準解像度の画面としてアプリケーションに表示されます。標準モードで単一のピクセルを描画すると、高解像度の画面で 4 つのピクセルの色が設定されます。
デフォルトの設定は標準です。Retina ディスプレイを搭載しないデバイスでアプリケーションを実行した場合は、<requestedDisplayResolution> の設定に関わらず、ステージは 480 x 320 ピクセルとして表示されます。
<iPhone> <InfoAdditions><![CDATA[...]]></InfoAdditions> <requestedDisplayResolution>high</requestedDisplayResolution> </iPhone>
また、高解像度のデバイスで使用するために、サイズが 114 x 114 ピクセルのアイコンをアプリケーションに追加し、そのアイコンへのパスをアプリケーション記述子に追加する必要があります。
<icon> <icon114x114>icons/icon114.png</icon114x114> </icon>
デスクトップ上でテストする場合、adl -screensize スイッチにあらかじめ定義された値「iPhoneRetina」を使用できます。
iOS での StageWebView
アプリケーションで HTML コンテンツを表示できるようになりました。これには、flash.media.StageWebView クラスを使用します。
StageWebView の動作には、iOS および Android デバイス間で、次のようないくつかの違いがあります。
- iOS では、フォーカスをプログラムで設定することはできません(assignFocus() メソッドは iOS では何も機能しません)。StageWebView インスタンスは、「none」に設定された FocusE ent の direction プロパティを使用して、focusIn および focusOut イベントを送出します。ユーザーが StageWebView 内でタップすると、focusIn イベントが送出されます。ユーザーが StageWebView 外でタップすると、focusOut イベントが送出されます。
- リダイレクトに対する LocationChangeEvent イベント:
- iOS では、locationChanging および locationChange イベントがすべてのリダイレクトに対して送出されます(注意:最初にロードされたページでは、locationChange のみが送出されます)。
- Android では、locationChanging イベントがすべてのリダイレクトに対して送出されます。locationChange は最後のリダイレクトに対してのみ送出されます(注意:最初にロードされたページでは、locationChange は送出されません)。
- デスクトップでは、locationChanging イベントがすべてのリダイレクトに対して送出されます。locationChange は最後のリダイレクトに対してのみ送出されます(注意:最初にロードされたページでは、locationChange のみが送出されます)。
- StageWebView 内でのページのレンダリング
- iOS では、最初にロードされたページは、StageWebView ビューポートに合わせて拡大 / 縮小されます。
- Android では、ページはビューポートに合わせて拡大 / 縮小されることなく、レンダリングされます。
- HTML 内の SWF は、iOS 用の StageWebView ではサポートされていません。
StageWebView のビットマップのキャプチャ
StageWebView ビューポートで現在レンダリングされているコンテンツのビットマップ表現をキャプチャできるようになりました。これには、drawViewPortToBitmapData() メソッドを使用します。
このメソッドは、2.6 アプリケーションの名前空間を使用するアプリケーションのみが呼び出すことができ、SWF バージョン 11 にコンパイルされます。
重要:StageWebView の stage プロパティが設定されていない場合、そのコンテンツは、drawViewPortToBitmapData()
を呼び出したときに BitmapData オブジェクトに保存されません。また、プラグイン(例えば SWF や PDF)を使用する HTML コンテンツのレンダリングは、現在サポートされておらず、その動作はプラットフォームに依存します。
高解像度の画面を持つ iOS デバイス(iPhone 4、iPod Touch 4G、iPad)では、キャプチャされたビットマップが StageW bView オブジェクトでのレンダリングと同じ再現性を持つように、アプリケーション記述子内に <requestedDisplayResolution>high</requestedDisplayResolution>
要素を設定する必要があります。
ソフトキーボードのプログラムでの制御
ソフトキーボードが開いたときまたは閉じたときの検出、およびソフトキーボードをプログラムから開くことができるようになりました。
InteractiveObject.requestSoftKeyboard()、Stage.softKeyboardRect および SoftKeyboardEvent を参照してください。
この機能は、2.6 アプリケーションの名前空間を使用するアプリケーションのみが使用することができ、SWF バージョン 11 にコンパイルされます。
ソフトキーボード表示に対する自動的なパンおよびサイズ変更動作の無効化
ソフトキーボードを開いたときにテキストフィールドがビュー内に収まるように表示を調整する動作(デフォルトの動作)を、無効化できるようになりました。<softKeyboardBehavior>none</softKeyboardBehavior> 要素をアプリケーション記述子に追加することで、デフォルトの動作をオフにして、表示を調整する独自のロジックを実装できます。
Stage.softKeyboardRect および SoftKeyboardEvent を参照してください。
Windows 用 AIR SDK にバンドルされた Windows 用の Android USB ドライバー
Android USB ドライバーは、Windows 用 AIR SDK のインストールフォルダーにあります。Android デバイスをコンピューターに接続する場合は、USB ドライバーのインストールに関する Microsoft の手順に従ってください。一部の Android デバイスは、デバイスのサポートリストに含まれていません。その場合は、適切な USB ドライバーをインストールする手順について、デバイスの製造元に問い合わせてください。
Android での USB デバイスのデバッグ
USB ケーブルを使用して、Android 上で実行するアプリケーションをデバッグできるようになりました。
IDE を使用した開発者ワークフロー
Flash Builder(プレリリースビルド)を起動する Flex モバイルアプリケーションをデバッグするには
- 最初の手順は、デバイス上でデバイスのデバッグを有効にし、デバイスを USB ポートに接続することです。
- 実行/デバッグの構成に移動します。
- デバッグ構成ウィンドウが表示されたら、デバッグするプロジェクトを選択します。
- 「起動方法」「デバイス上」ラジオボタンを選択し、デバッグボタンをクリックします。
アプリケーションがデバイス上で起動され、デバッグセッションが開始されます。
Android でのテキストフィールドの操作モード
Android におけるテキストフィールドでは、2 つの操作モードが利用できるようになりました。ノーマルモードでは、テキストフィールドの操作はスクロールに対して最適化されます。選択モードでは、操作はテキストの選択に対して最適化されます。テキストフィールドを一定時間押し続けてコンテキストメニューを開くことで、モードを変更できます。モードが変更されるときに、TextField オブジェクトが textInteractionModeChange イベントを送出します。
TextField.interactionMode、flash.text.InteractionMode および Event.TEXT_INT RACTION_MODE_CHANGE を参照してください。
Android Market の代替 URL
AIR ランタイムをダウンロードして Android デバイスにインストールするための、代替 URL を指定できるようになりました。代替 URL を指定しなかった場合、AIR ランタイムがまだインストールされていないと、AIR アプリケーションはユーザーを Android Market の AIR ランタイムにリダイレクトします。
アプリケーションが代替のマーケットプレイス(Google が運営する Android Market 以外)を介して配布される場合、そのマーケットから AIR ランタイムをダウンロードするための URL の指定が必要になることがあります。代替のマーケットによっては、そのマーケットの外部からのダウンロードをアプリケーションが要求できない場合があります。このオプションは Android パッケージのみでサポートされます。
現在、次のマーケット URL がサポートされています。
例(下記の URL はあくまでアプリケーションストアの一例です):
adt -package -target apk -airDownloadURL "http://appstore.zzz.com/get/com.adobe.air" -storetype pkcs12 -keystore temp.p12 -storepass <password> HelloWorld.apk HelloWorld-app.xml HelloWorld.swf
その他の新機能
デスクトップ用に所有されるネイティブウィンドウ(Owned NativeWindow)
これによって、機能が NativeWindow クラスに追加され、あるウィンドウ上に 1 つ以上の別のウィンドウを保持する必要があるアプリケーションを作成できるようになります。そのようなアプリケーションの例として、ドキュメントウィンドウに加えて、フローティングツールバーやパレットを表示する必要があるエディターアプリケーションがあります。この機能が使用できるようになる以前は、アプリケーション開発者は alwaysOnTop、orderInFrontOf、orderInBackOf の各 API を使用して、開発者独自のコードで、ウィンドウの z 順序を管理することが必要でした。
NativeWindow.owner、NativeWindow.listOwnedWindows() および NativeWindowIn tOptions.owner を参照してください。
デスクトップでのネイティブメニューイベントの機能強化
AIR 2.6 より前のリリースでは、NativeMenu クラスには 2 つのイベント(DISPLAYING および SELECT)があり、それらはユーザーがメニューを操作したときに送出されました。AIR 2.6 リリースでは、PREPARING という名前の 3 番目のイベントが追加されました。このイベントは、ユーザーがキーボードショートカットを使用してメニューを操作する場合に対処できるように、開発者をサポートすることを目的としています。
このイベントが使用できるようになる以前は、開発者がプログラムでメニューの状態を更新するには、DISPLAYING イベントを使用することが必要でした。このイベントは、メニューが実際に表示されるほとんどの場合に適切な動作を実現しますが、ユーザーがキーボードショートカットによってメニューを操作する場合では、イベント名と操作が一致しなくなります。
このため、DISPLAYING イベントは複数のプラットフォーム間では整合性が取れないという問題がありました。その結果、ユーザーがキーボードショートカットを使用してメニューを操作した場合、イベントが Mac OS では送出されますが、Windows では送出されないことになります。
今後は、キーボードショートカットを使用してメニューにアクセスする場合は PREPARING イベントが送出され、メニューが実際に表示される場合にのみ DISPLAYING イベントが送出されます。
NativeMenu.PREPARING を参照してください。
この変更は 2.6 名前空間のバージョンに対応しています。つまり、新しい 2.6 名前空間を使用するすべての AIR アプリケーションがこの新機能を利用できます。この変更は、2.6 より前の名前空間を使用する AIR アプリケーションには影響しません。
イメージのデコードポリシー
新しいプロパティが LoaderContext オブジェクトに追加されました。このプロパティを使用すると、ロードされたイメージのデコードを Loader のロード操作で処理する方法に関して、クライアントはポリシーを指定できます。クライアントは、イメージを直ちにデコードするか、またはイメージデータが必要となるまでデコードを延期する(例えば、GetPixel が呼び出されるまでイメージの描画を延期する)かを指定できます。
imageDecodingPolicy は、新しい ImageDecodingPolicy クラスで指定された次の値に設定できます。
- ON_DEMAND - 必要となったときにイメージデータをデコードします。
- ON_LOAD - イメージがロードされた直後にイメージデータをデコードします。
ON_LOAD を指定した場合、COMPLETE イベントは、デコードが完了するまで load() イベントに対して送信されません。デコード操作は、ロード操作の一部として非同期に発生します。
デフォルトのポリシーは ON_DEMAND です。これは、load() に対する以前のデフォルトの動作に該当します。
LoaderContext.imageDecodingPolicy を参照してください。
LoaderContext の親とパラメーター
requestedContentParent プロパティが LoaderContext クラスで使用できるようになりました。このプロパティは、プレーヤーの SWF バージョン 11 以上でのみ使用できます。このプロパティが null 以外に設定されていると、ロードの終了時に、Loader は指定された親にコンテンツを追加しようとします。Loader に対して requestedContentParent プロパティが設定されている LoaderContext は、コード 2914 の Illega OperationError を生成します。また、親のセキュリティコンテキストがコンテンツのセキュリティコンテンツにアクセスできない場合、呼び出しを行うと「コード 2047 の SecurityErrorEvent」のエラーが発生する可能性もあります。試行が失敗すると、コンテンツをロードしている Loader が親として追加されます。
parameters プロパティが LoaderContext クラスで使用できるようになりました。このプロパティは、プレーヤーの SWF バージョン 11 以上でのみ使用できます。このプロパティが null 以外に設定されていると、ロードされたコンテンツの LoaderInfo.parameters プロパティ(Loader の contentLoaderInfo.parameters と同じ)は、このオブジェクトのコピーに設定されます。つまり、これはロードする側のコンテンツからロードされる側のコンテンツに parameters(または flashvars)を転送する方法となります。
parameters プロパティにはストリング値のみを使用できます。それ以外の値を使用した場合は、エラーコード 2196 のエラーがスローされます。
NetConnection.httpIdleTimeout
NetConnection オブジェクトと共に HTTP 接続を使用している場合、ネットワークのタイムアウト時間を設定できるようになりました。Linux では、タイムアウトが指定した時間より 2 秒長くなることに注意してください。
NetConnection.httpIdleTimeout を参照してください。
Linux でのベクター印刷
ベクター形式の印刷が Linux でサポートされるようになりました。Linux で印刷する場合、デバイスフォントを使用したプリントページは、ベクトル形式またはビットマップ形式のどちらが要求されたかに関わらず、ラスタライズされることに注意してください。
ADT に追加された新しい -version
オプション
-version
オプションを使用して ADT を呼び出すと、AIR SDK のバージョン番号が返されます。
ネイティブマウスカーソル
表示リスト内ではなく OS レベルで実行されるビットマップベースのマウスカーソルが使用できるようになりました。
Mouse.registerCursor() および flash.ui.MouseCursorData を参照してください。
AIR 2.6 での変更点
2.6 名前空間での画面の向きの変更
2.6 バージョンのランタイムの Screen Orientation API に対して、以下の変更が加えられています。
- supportedOrientations プロパティがステージに追加されました。
- 既存の autoOrients プロパティが書き込み可能になりました。
- setOrientation メソッドが復活しました。このメソッドは AIR 2.5 では廃止予定とされていました。
- orientation プロパティが復活しました。このプロパティは AIR 2.5 では廃止予定とされていました。
- ORIENTATION_CHANGING イベントが復活しました。このイベントは AIR 2.5 では廃止予定とされていました。
supportedOrientations API を使用するには、フラグ「-target-player=11」を使用して SWF をコンパイルする必要があります。
その他の修正
AIR Android 2.6.0.1915 には以下の修正が追加されています。
- Android 2.3(Gingerbread)デバイスで、AAC オーディオが正しくデコードされ再生されるようになりました。
- NVIDIA Tegra2 搭載の Android 2.2 デバイス上でのゴースト発生と緑色の副作用の問題が修正されました。
Adobe AIR のインストールおよびアンインストールと、AIR アプリケーションのインストール
インストーラーのトラブルシューティングについては、次の TechNote を参照してください。
http://kb2.adobe.com/jp/cps/403/kb403150.html
インストールに関する TechNote の確認後、依然として問題が解決しない場合は、インストールに関する Adobe フォーラムにアクセスして、質問したり、他のソリューションを確認したりしてください。
AIR のインストールに関するフォーラム:http://forums.adobe.com/community/air/installation
ヒントとテクニック
Adobe AIR フォーラム
Adobe AIR フォーラムは、学習およびトラブルシューティングのための重要な情報源です。AIR コミュニティのエキスパートやアドビのスタッフと開発に関するトピックについてやり取りしたり、問題や見つかったバグについて議論や報告を行ったり、インストールの問題を解決したりできます。
当社の Web サイト http://forums.adobe.com/community/air にアクセスしてください。
Adobe Community Help
Adobe Community Help は、新しい感覚で利用できる次世代ヘルプシステムの AIR アプリケーションです。Adobe Community Help には次の機能があります。
- 内容が充実した最新のリファレンス情報に、オンラインおよびオフラインでアクセス
- アドビコミュニティで活躍する Adobe.com 内外のエキスパートから寄せられた的確な情報を検索
- アドビコミュニティ内の情報に対するコメントと評価の書き込み、他のユーザーへの情報提供
- ヘルプコンテンツをデスクトップに直接ダウンロードし、オフラインで利用
- 検索および閲覧用のダイナミックなツールを使って、関連性のある情報を探索
- 内容のアップデートや機能改良を、AIR アプリケーションを再インストールすることなく利用
Adobe Community Help は、Creative Suite CS5 および Flash Builder 4 のインストール時にはデフォルトでインストールされます。これらのツールとは別に AIR SDK を使用する場合は、Adobe Community Help のインストールページから Community Help をインストールできます。
Adobe AIR に関するドキュメント
AIR に関するすべてのドキュメントは、Adobe AIR デベロッパーセンターで参照できます。
Adobe AIR ヘルプ&サポートページ
Adobe AIR ヘルプ&サポートページは、Adobe と AIR 開発者コミュニティから提供される AIR 関連情報の検索ポータルです。有用な記事やチュートリアルと、サポートの最新トピックへのリンクも掲載されています。
AIR アプリケーションおよびランタイムのインストール時に記録されるインストーラーログ
AIR 2 および以降のバージョンでは、ランタイムおよび個別のアプリケーションをインストールする際のログが、デフォルトでログファイルに記録されます。ファイル名は、「Install.log」(Linux、Windows)または「system.log」(Mac OS)です。このログには情報が累積されていきます。つまり、AIR ランタイムまたは AIR アプリケーションのインストールやアップデートが試行されるたびに(成功、失敗にかかわらず)、既存のログファイルの末尾に新しいログが追記されます。ログファイルのサイズは最大 0.5 MB に制限され、このサイズを超えた内容は切り捨てられます。
ファイルの格納場所は、次のとおりプラットフォームごとに異なります。
- Windows XP:C:\Documents and Settings\<username>\Local Settings\Application Data\Adobe\AIR\logs\Install.log
- Windows Vista / Windows 7:C:\Users\<username>\Appdata\Local\Adobe\AIR\logs\Install.log
- Mac OS X:/private/var/log/system.log(コンソールアプリケーション)
- Linux:/home/<username>/.appdata/Adobe/AIR/Logs/Install.log
セキュリティの強化
Adobe AIR 2.6 には、セキュリティ速報 apsb11-05、apsb11-07 および apsb11-12 で説明されているセキュリティの強化が含まれています。
既知の問題
- iOS での埋め込みフォントの使用(このバージョンのパッケージャーではサポート対象外)に関する既知の問題があります。回避策として、デバイスフォントを使用してください。(2580892)
- ロケール固有の文字を含むフォルダー名を使用しで iOS 用の IPA ファイルをパッケージ化すると、Java のエラーまたは ADT のクラッシュが発生することがあります。この回避策は、IPA ファイルをパッケージ化するときに、フォルダー名やファイル名にロケール固有の文字を使用しないことです。(2598582)
- Android でアプリケーションがバックグラウンドで実行していると、オーディオが途切れることがあります。これは既知の制限事項です。今後のバージョンでも解決する必要がある問題です。(2736274)
- Mac OS 10.6 でアプリケーションがサブコンテキストメニューのダイナミックコンテンツを作成した場合、そのアプリケーションはクラッシュすることがあります。これは、Mac 10.6 OS の新しい動作に起因して発生します。Mac OS 10.6 では、サブコンテキストメニューのダイナミックメニューコンテンツを作成しないでください。(2740591)
- ユーザーがメニューボタンを押したときに AIR アプリケーションを終了する方法はありません。NativeApplication.nativeApplication.exit(0) を呼び出しても何も実行しないのは、既知の動作です。この問題を回避するには、アプリケーションの applicati.xml の iOS セクションに UIApplicationExitsOnSuspend=YES を追加します。(2763470)
- 一部の iOS デバイスには、前面と後面の両方にカメラが搭載されていることがあります。ただし、ビデオをキャプチャできるのは一度に 1 つのカメラからだけです。(2765218)
- iOS デバイスでサウンドチャンネルを最大出力に設定すると、オーディオが再生されません。これは、サウンドチャンネルに関する iOS での既知の制限事項です。(2765242)
- デスクトップで
LocationChangeEvent.LOCATION_CHANGE
イベントに関するテストを行うと、StageWebView ヒストリーが不整合な状態になります。最初のLocationChangeEvent.LOCATION_CHANGE
イベントのisHistoryBackEnabled
プロパティの値を読み取ると、プロパティはtrue
ではなくfalse
です。isHistoryBackEnabled
に正しい値を反映させるには、LocationChangeEvent.LOCATION_CHANGE
イベントではなくEvent.COMPLETE
イベントでその値を読み取るようにします。(2780671) - Windows コンピューターで Java ランタイムエラーを引き起こす大きな .swf を使用したときパッケージ化の問題が発生した場合は、次のいずれかを試してください。a. コマンドラインオプション「-Xmx1024」(またはそれ以上)を ADT に追加して、vm のメモリサイズを大きくする(最小でも 1024 を推奨)。b. .swf をより小さなモジュールの .swf に分割する。c. Mac OS X でコンパイルする。(2786860)(2788649)
- AIR SDK を使用するには、最低でも 2 GB のメモリが必要です。swf をメモリサイズが小さいコンピューターの IPA にコンパイルするために ADT を使用する場合、既知の問題がいくつかあります。(2786873)
- Android および iOS 上のステージの表示領域外に StageWebView を配置した場合、
drawViewPortToBitmapData()
を呼び出すと空のイメージが返される可能性があります。これは StageWebView をステージの端に配置した場合に発生します。この問題に対する簡単な回避策は、StageWebView を 1 ピクセルだけステージの表示領域の外部に移動することです。例:webView.x = stage.stageWidth + 1
(2788590) - マルチタッチが有効な Android デバイスの場合、タッチポイントの最大数として 2 が返されます。ただし、タッチイベントはすべてのタッチポイントに対して生成されます。これは設計上の制限です。(2796344)
- AIR iOS および Android の mouseX と mouseY の動作が、touchUp イベント後に mouseMove イベントが起動され、mouseMove イベントがオフスクリーンの位置に対する mouseX および mouseY 座標を送信する動作と一致するようになりました。(2800954)
- URLRequest に渡される電子メールの URL が、プラットフォームに応じて、異なってデコードされる場合があります。iOS では、アドレスは URL デコードされません。例:First%[email protected] ([email protected] ではない)(2802988)
- 一部の Android デバイスでは、GPU アクセラレーションを有効にした場合、cacheAsBitmap プロパティを使用するテキストフィールドが変形して見えることがあります。この問題を回避するには cacheAsBitmapMatrix プロパティを使用します。このプロパティに倍率として少なくとも 2 を指定して、より解像度の高いテキストフィールドのビットマップをキャッシュできるようにします。(2805094)
- Android 3.0 で、Flash プラグインを使用してページをロードすると、StageWebView の内部がレンダリングされません。この問題を回避するには、アプリケーション識別子の android セクションに android の hardwareAccelerated 属性を追加してください。(2806662)
- Apple の Windows 用 iPhone 構成ユーティリティを介して IPA ファイルをデバイスにインストールすることはできません。「デバイスにアプリケーションをインストールできません。エラー kAMDReceiveMessageError」というエラーが発生します。この問題の回避策は、Windows で iTunes を使用するか、または Mac OS で iTunes / iPhone 構成ユーティリティを使用して IPA をインストールすることです。(2810687)
- 通常、Loader オブジェクトのロード操作の中止は、close() メソッドを呼び出して実行します。ただし、ロードが FilePromise を使用して実行された場合は(loadFilePromise() メソッドを使用)、ロード操作は unload() メソッドを使用してキャンセルする必要があります。このケースで close() を呼び出すと、ランタイムエラーがスローされます。(2811060)
- iOS で、StageOrientationEvent に対して preventDefault() を使用し、起動時の向きを制限しようとしても、適切に機能しません。適切な <aspectRatio>Portrait/Landscape</aspectRatio> および <autoOrients>false</autoOrients> を使用してください。(2814955)
- FullScreenSourceRect は、iOS については、現在このリリースでサポートされていません。(2815625)
- 開発者は、Apple のアプリケーションストアにアプリケーションをアップロードする場合にのみ、Mac で使用できる Apple の Application Uploader を使用する必要があります。Application Uploader の Windows バージョンはありません。
フィードバック
機能のご要望については、Adobe AIR に関するアイデア提案の Web サイトで投稿と投票を受け付けています。
バグのご報告については、バグフィードバックフォームで Adobe AIR を選択してご記入ください。
問題やアイデアを議論するには、Adobe AIR フォーラムにご参加ください。