乙武氏ツイートの銀座の店に行き、店主に取材しました
2013年 05月 20日
タイミングよく店主がいたので、突然でしたが取材のお願いをしたところ、
丁寧に対応していただきました。
店主からは、「聞きたいことがあれば事情は説明しますが、
すでに店と乙武さんとで和解しているので、
事情についてはぶり返す必要はないので書かないでほしい」とのこと。
それに了解の上で話を聞かせていただきました。
乙武氏のツイートから、
こわい頑固な中年おやじさんなのかなと思い、
突然取材になんか来たら、
「とっとと出てけ!」とか言われるのではないかと思ったが、
まったくそんなことはなく、
むしろイメージしていたのとは真逆の、
とても線が細い感じの好青年といった雰囲気だった。
まあただこれはあくまで私の勝手な印象に過ぎないが。
店主の話を聞いて思ったのは、両者が和解しているので、
もう店について第三者がどうこう言うのは、やめたらどうでしょうということ。
まさか障碍者を擁護する人に、
いくら気に食わないからといって、
いやがらせや営業妨害するような行為をする、
心ない人はいないとは思いますが。
それと現地の写真を撮ってきた。
大通りに面しているとはいえ、歩道は狭い。
歩道には自転車駐輪禁止の文言。
ここから入る。
人一人通れるぐらいの1階の狭い通路を通っていく。
第一の階段。
第一の階段を上から見る。
第二の階段。
第二の階段を上から見る。
店入口。ここにもすごい段差。
現場を想像しないで、客が運べばいいとか、
のんきなこと言っている人もいたが、かなりハードかと思う。
しかもお客さんはお酒飲んでるわけですよね。
そんな状況で手伝わせて安全が確保できるのだろうか。
ちなみに車椅子は重いから大変なのではという、私のつぶやきに対して、
「なんで車椅子、持ってくんですか?
乙武さんだけ運べばいいじゃないですか?」
と批判していた人がいたが、
車椅子は一体どこに置くんですかね?
まさか銀座の歩道に放置ってことではないですよね。
ビルの中も見ての通り、通路が狭いので、スペースは少ない。
ちなみにこんな人はいないと思うが、
「あの店、ほんとに車椅子を入店拒否しないのか、試してみよう」
と興味本位で車椅子で行くんだったら、
現場を見る限りおすすめできない。
店員が手伝うとか客が手伝うとかいう問題ではなく、構造上かなり厳しい。
でも不可能ではない。
もし店員や客に手伝ってもらうなら、
万が一足場が悪くて転んでケガさせられたとしても、
それは想定内のリスクと考えた方がいい。
その危険があっても行きたいというなら行けばいい。
ちゃんと事前に連絡して。
<もう1つ月曜訪問時には気づかなかった裏口がありました。
店の案内板などは一切ないので見落としていました。
火曜日に再訪。いずれにせよ厳しい構造です>
BLOGOSに「ココロのバリアフリーで誰もが生きやすい世の中に」
http://blogos.com/article/62625/
という大変素晴らしい記事が載っていた。
ココロのバリアフリーという意味で、
ぜひ乙武氏擁護派、店が100%悪い派に勘違いしてほしくないのは、
ココロのバリアフリーとは、
健常者が障碍者に気を使うことだけではないということだ。
障碍者も健常者に気を使う。健常者も障碍者に気を使う。
互いに思いやる心。
それが真のココロのバリアフリーだと思う。
乙武批判記事でも書いたけど、
たった一言、乙武氏が銀座の雑居ビルで小さなレストランであることを想像し、
店側を思いやり、「車椅子ですけど大丈夫ですか?」
という「ココロのバリアフリー」が言えたなら、
こんな大騒ぎにはならなかった。
でも店舗が悪い、乙武氏は何も悪くないと言っている人たちは、
それが許されないようだ。
つまり、健常者が障碍者に気を使うのであって、
障碍者が健常者に気を使う必要はないと考えているからだ。
それが間違っていると私は思う。
そういう発想をするのは、障碍者を下に見ているからだ。
障碍者は何もできない。
だから健常者が気を使ってしかるべきであり、
健常者が保護するべきであるという。
それがいかに奢った考え方で、差別的考え方なのか理解していない。
健常者は常に強者で障碍者は常に弱者ではないし、
健常者だからとか障碍者だからとか関係なく、
社会の成員として、お互いがお互いのことを思いやり、
住みやすくなるよう、双方でコミュニケーションすることが、
ココロのバリアフリーなんじゃないのか。
お店で食事をしたいお客さんと食事を提供する店がいる。
どっちが偉いとかどっちが上でどっちが下とかではない。
客も店も楽しい時間を過ごすために、
車椅子で行くなら事前に店側に伝えておくとか、
アレルギーや嫌いなものがあるなら伝えておくとか、
たったそれだけのことを予約時にすればいいだけのことだ。
なぜか知らないけど「ノマドと社畜」著の@May_Roma(谷本真由美)氏は、
それが許せないらしく、私なら事前に言わないとか言い張っている。
それは事前に言わなくても、
突然障碍者の方が来たとしてもきちんと対応できるのが、
真の顧客サービスだと言いたいのかもしれないが、
別にそんなことにこだわらず、
客側から客の事情があるならお店に伝えればいいじゃないか。
そしたら店も対応できるじゃないか。
それだけのささやかな気遣いを拒否する理由がわからない。
それで店の対応が悪くて批判するってどうかしてる。
未然に不快な思いを防げる手立てをすればいいじゃないか。
私の意見に批判した人の中に、
「障碍者が健常者に気を使えってことか!」
と文句を言っていた人がいたがその通りですよ。
別に障碍者だけが気を使うのではなく、双方が気を使えばいい。
それでお互い気持ちよく暮らせるならそれでいいじゃないですか。
どちらが強者でどちらが弱者とか、
そういう考え方は捨てて、互いが協力し合う。
たったそれだけのことだと思う。
だから私は、乙武氏が事前に車椅子で行くと言わずに、
少人数スタッフでやっていて、
しかも銀座の雑居ビルで運ぶのが大変と想像できるレストランを、
一方的に批判し、しかもその乙武氏の意見に同調し、
「店はけしからん!」といっている人があまりに多いので、
それは違うんじゃないかという記事を書いた。
この手のニュースは障碍者=善、店=悪と決めつけがちだが、
思い込む前に、詳細に流れを見て、冷静に判断したい。
ココロのバリアフリー、他者への気遣いという意味で、
ぜひ多くの人にやめていただきたいのが「歩きながらケータイ」。
危険、迷惑。
どうしてもしたいのなら、道端によけて、
立ち止まってすればいいだけの話。
社会のバリアになっているのは「歩きながらケータイ」しているあなたです。
ちなみに今回の件で意見がいろいろ出るのは当然だと思うが、
記事に対する直接の批判や意見ではなく、
「ノマドと社畜」著の@May_Roma(谷本真由美)氏のように、
「かさこさん、金玉はあるのでしょうか。
ないなら私のを移植しましょうか?」
と障碍者擁護を気取りながら、
平然と他人に対する侮辱的発言、差別的発言をする輩は絶対に許さない。
意見が気に食わないからといって、
「金玉」を持ち出すような差別的表現をする人間がいるからこそ、
この世に差別がなくならないのだと思う。
※※上記ツイッターのキャプチャー上、
「文筆業なのに~」以下の発言は私の発言ではなく
@GundariYasha の発言です。
「しかも女」という差別的表現を使っているのは、
私ではなく、@GundariYasha の発言ですので、お間違いなきよう。
・@May_Roma
・追記:乙武氏にも取材をしようと思いましたが、
乙武氏自ら当時の状況を詳しく書いた記事がアップされています
http://blogos.com/article/62738/
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