物理学とは、落下する林檎から惑星や恒星の動き、世界を形作る極小の素粒子の挙動まで、物理世界を研究する学問だ。
物理はいたるところにある。宇宙の最果てにも、銀河の中心に位置する超大質量のブラックホールにも、地球上の生命の構成要素にもある。むろん、一見虚空に思える宇宙空間にもだ。
時折、その宇宙やそこに存在するあらゆる物に対する認識を永遠に変えてしまう物理学者が登場する。ここで紹介するのは、私たちの世界の見方に革命を起こした20人の物理学者だ。
1. ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)
もっとも有名な物理学上の業績は、移動中の物体に関するもの。1630年代、自由落下するあらゆる物体が一定の速度で加速することを証明した。
2. アイザック・ニュートン(1643-1727)
ガリレオの業績にもとづいて、アイザック・ニュートンは、1687年に3つの運動の法則と万有引力の法則を発表。特に革新的なアイデアの一つは、空にある物体の動きが地上の物体と同じ物理法則によって支配されているというものだ。
3.マイケル・ファラデー(1791-1867)
電磁力の研究を行ったマイケル・ファラデーは、1831年に電磁誘導、1839年に電気と磁気には根本的な関係があると提唱した。
4.ジェームズ・クラーク・マクスウェル(1831-1879)
1864年、ジェームズ・クラーク・マクスウェルは、電磁気学の理論を発表。電気、磁気、光はいずれも電磁場という同じ現象の表現であることを証明した。
5. ヴィルヘルム・レントゲン(1845-1923)
1895年、ヴィルヘルム・レントゲンは物理学者として初めてある波長帯の電磁放射を発生・検出した。今日、これはX線と呼ばれている。
6. マリー・キュリー(1867-1934)
1896年、マリー・キュリーは放射能の発見を助ける。これはX線の性質を研究する中でなされた。さらに同位体分離の技術を発表。また、夫のピエール・キュリーと一緒に放射性元素のラジウムとポロニウムを発見した。
7. ジョゼフ・ジョン・トムソン(1856-1940)
1897年、ジョゼフ・ジョン・トムソンが電子を発見。史上初めて発見された素粒子である。
8. マックス・プランク(1858-1947)
マックス・プランクは量子力学の父と称される。1900年、光から放たれるエネルギーの個別のまとまりである量子という概念を提唱した。量子力学の中心となるプランク定数という数値も示した。
9. アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)
1905年、特殊相対性理論に関する論文を発表。これは光の速度は常に変わることがなく、光速においては、時間が止まり、質量が無限大になるという理論だ。
さらに1916年、一般相対性理論を発表。空間、時間、重力の性質に関する本質的な理論であり、重力は時空が曲がることで発生する効果であると説明する。
10. アーネスト・ラザフォード(1871-1937)
1911年、原子核に質量のほとんどがあることを実証。また、1920年に陽子を発見した。
11. ニールス・ボーア(1885-1962)
1913年に原子構造の理論を発表。原子の中心に核があり、その周囲を電子が周っていることを発見した。また、量子力学の誕生に重要な役割を果たしている。
12. ヴォルフガング・パウリ(1900-1958)
スピンの理論や量子理論に関する業績で有名。1925年にはパウリの排他律を発見。これは恒星と星雲の性質を理解するうえで重要である。
1931年にはニュートリノの存在を予言。弱い相互作用のある粒子であり、光速に近い速度で宇宙を飛び回っている。
13. エルヴィン・シュレーディンガー(1887-1961)
1926年、波動力学という量子力学の中核とされる等式を発案した。さらに1935年に”シュレーディンガーの猫”を発案。歴史上もっとも有名な思考実験の一つである。
これは箱の中に五分五分の確率で生死が決まる猫が入っているというものだ。シュレーディンガーは、中身を確かめるまで猫は同時に生きて、死んでいる、すなわち重なり合った状態にあると結論した。
14. ポール・ディラック(1902-1984)
1928年、反物質の存在を予言。これは陽電子(反電子)のような、対応する物質と等しいが反対の電荷を持つ粒子である。
15. ヴェルナー・ハイゼンベルク(1901-1976)
ヴェルナー・ハイゼンベルク(1901-1976)は1927年の不確定性原理でもっともよく知られる。これは量子力学の実験において計測精度には本質的な限界があると説くものだ。
16. エンリコ・フェルミ(1901-1954)
マンハッタンプロジェクトで遂行された初の原子炉開発における業績で有名。また、量子論、核物理学、粒子物理学への貢献でも知られる。
17. ロバート・オッペンハイマー(1904-1967)
原爆の父と称される。マンハッタンプロジェクトで史上初の原子爆弾開発を指揮した。
18. リチャード・ファインマン(1918-1988)
量子電磁力学の発展に寄与。特殊相対性理論と量子力学を組み合わせて、宇宙の理解を進めた。
19. マレー・ゲルマン(1929-)
1961年、素粒子の分類に関する八道説を提唱。また、1964年にクォーク仮説を提唱し、陽子、中性子、その他のハドロンはクォークというさらに小さい粒子で構成されていると主張した。
20. ヴェラ・ルービン(1928-)
ヴェラ・ルービンは天文学者であるが、銀河の回転に関する研究から、宇宙の84パーセントは暗黒物質という謎めいた目に見えない粒子で満たされているという初の証拠が提示された。
この物質の研究は素粒子物理学と天体物理学に革命を起こした。
via:20 physicists who revolutionised our understanding of the world/ written hiroching / edited by parumo
理解できるのはマクスウェルまでだな
彼らは皆自分のようなボンクラには及びもつかない知的な巨人たちなのだが、それでも皆後から見れば間違いもしているし、なにより彼らが皆で作り上げようとした世界の理論的な描像はまだ完成形になったわけでもない。少しでも彼らや、また現代の物理学者たちの背中が見えるところまで行きたいねえ。
ファインマンさんは大好きすぎる。
教科書にもお世話になったしエピソードも面白い
あとアインシュタインの説明に光電効果無いのは残念。
※3
このメンツならミリカンが入ってててもいいよね。
あとライプニッツの論理計算と微積分記号はすごい大事。
ファラデーはやっぱり超スゴい。
上がっている人は全員が偉大な物理学者で甲乙つける必要もないけど、
個人的にはニュートンとアインシュタインが双璧
でも、小学生だった私が一番最初に心酔したのは、やっぱりキュリー夫人だった
13.シュレディンガーは「猫の生死が重なり合った状態にある?そんな馬鹿な話があるか」って意味で有名な猫の思考実験を発表した。
つまり量子力学には否定的で、「結論した。」とは少し違う。
※5
よかった。ちゃんと間違っているって指摘はいってたか。
シュレーディンガーの意図とまったく逆だもんなぁ、この記事。
色々誤解や俗説などが混じっているが、それもこの物理学者方が揃いも揃って常識を作ったり、訳がわからないことを発見するからだ
ガリレオのもう一つの功績は「相対性」という物の見方、こっちからそう見えるなら向こうでこっちの同じ現象を見ても同じという。
アインシュタインの「質量無限大」は質量を持った物質を光速まで加速するには無限大のエネルギーが必要→エネルギーはある一定の質量と等価→加速される物質に使われるエネルギーが質量に転化→質量無限大
という図式だね。
シュレディンガーの猫は、シュレディンガーが量子力学を皮肉ったものじゃなかったか?
※8
皮肉って言うか批判だね。
実態を観測するまで量子は有ると無いの2つの状態が重なり合ってるというコペンハーゲン解釈に対して、じゃあ猫と毒ガスを一緒に入れたら観測するまで生と死2つの状態が重なってんのか?んなわけねーだろっていうのがシュレディンガーの主張。
南部陽一郎さんがいない、現代の量子力学は南部氏の研究の延長線上に有るのに。
現在進行形の科学革命は超ひも理論になるんだろうな。
ブレーンワールドとか高次元の世界についての解明が待ち遠しい。
自分も素粒子物理を専攻してたのでまず名前がうかぶ人たちばかりではあるんだけど
「私たちの世界の見方に革命」という以上、宇宙物理や地球物理が少なすぎるとおもう。
膨張宇宙を観測して証明したハッブル、
大陸移動を提唱したウェゲナー、
あと気象学者だけど、カオスの発見者ローレンツ、
等々。
ほかにもあるとは思うけど。
最後の人知らなかった。
勉強しなきゃ。
オッペンハイマー氏はなぁ~、
代わりに元素周期表を作ったメンデレーエフ氏はどうですか?
小学生のころ読んだ、ファラデーの「ろうそくの語る科学」には、マジで感動した。
理科は苦手だったけど、あの本のおかげで、嫌いではなくなった。
>電気、磁気、光はいずれも電磁場という同じ現象の表現である
これって今改めて聞いても衝撃的じゃない?
これらが全部同じ現象って理解が追いつかないよ
「世界の見方」というテーマだと、違うかなってひともいるし(科学者としてはどの方もすごいけど)、あと南部先生が入ってない。
日本人いるかなー?いるかなー?
と半分期待して見てたが、
やっぱいなかった・・・
入っててもおかしくない日本人ているかな?
定期的にあがる話題だな
もう3回くらいカラパイアでみた
男の人ばっかりだね~!
男と女は探求する先が違うのかしらん
化学系の学生だけどポール・ディラックとマレー・ゲルマン、ヴェラ・ルービン以外なら
何かしら教科書で出てくるから化学への貢献も大きい人たちだね。
女は頭脳的にも男にかなわないのだから一緒に勉強するのはどうかと思う
※24
別にかなわないというわけではないだろう。単に分母が小さすぎる時代だっただけ。これから分母に従った数の女性科学者が出てくるよ。むしろなぜ分母が違うのかが本当のテーマだと思うよ。
イギリス人ばっかで草
20世紀以降はアメリカ人か
朝永振一郎は入れてほしかったくりこみとか重要理論打ち立てたりしてるのにファインマンとかが挙がってこの人が挙がらないのは不可解だわ
説明がパンピーな自分には不足過ぎて、何をどう変えたのかわからないね。
物理学っておもしろいよな
当たり前すぎて考えもしない現象とかを、ちゃんとした理論や数学で説明できるんだから。
考え方そのものを変えるような発見や推測って、普通の頭じゃ思いつかない
マイケルファラデーは一番好きな物理学者だ
あの人、この人、入ってないって思うのは、
要するにすっげー発見した物理学者は
もう全然20人じゃ済まないよってことなんだね。
アメリカのconservapediaというサイトでは最も成果を挙げた物理学者としてロバートディッケの名が挙げられていたんだが彼の業績は革命的というような類のものとはまた違っていたのか?
何故後半は素粒子物理ばっかなんやろ
物性物理も現代物理学の片翼を担ってるのだが