メインコンテンツにスキップ

画面右上に明るさボタン☀が登場!試してみてね!

星喰らう者。太陽を丸ごとエネルギーに変える生命体、「スターリヴォア」 は存在するのか?(国際共同研究)

記事の本文にスキップ

75件のコメントを見る

(著)

公開:更新:

この画像を大きなサイズで見る

 とにかく宇宙は底なしに広い。そこに我々が知り得ない生命体が存在する可能性は否定できない。不思議な生態を持つバクテリア、人類をはるかに超えた知能をもったや超宇宙人など、いないとは断言できないほどに地球の宇宙研究はまだ進んでいないのだ。

 「スターリヴォア」とは「星喰らう者」を意味する。知的生命体である彼らは、文字通り、惑星を大量のエネルギーに代えて文明を発達させていると考えられている。本当にスターリヴォアは存在するのか?仮に存在するとしたら彼らはどこにいるのだろうか?

広告の下に記事が続いています

 この謎を解明する為に立ち上がったのがブリュッセル自由大学の哲学者、クレメント・バイダル教授、宇宙生物学議会図書館のスティーブン・ディック、未来学研究のジョン・スマート、そしてナノテクノロジーを専門とする実業家、ロバート・フレイタスだ。

この画像を大きなサイズで見る

 ”スターリヴォア”という名前はチームリーダーであるバイダル教授が2013年発表した彼の論文の中で使用された言葉で、彼自身もそのネーミングや存在については「奇天烈ではある」。と認めているが、「新しいことを発見するには奇天烈でなくてはいけない」。という。

知的生命体は大量のエネルギーを自由に生産できる文明を持つ

この画像を大きなサイズで見る

 「ニュートンは重力を発生する物質を発見した訳ではありません。彼はただ、日常の出来事を違った見方でとらえ、それがなぜ起きるのかを論理的に考えただけなのです。それと同じですよ。我々が気付いていないだけで、今ある宇宙観測のデータの中に、もしかしたらこういったスターリヴォアの痕跡があるかも知れません」。とバイダル教授は語る。

 宇宙の広大さを考えれば、単純な生命体を見つけるのはもしかしたら容易なのかも知れない。しかし、仮に知能を持つ生命体を発見したとすれば、それは我々より遥かに知能が高く、技術力も高い生命体である可能性が高いだろう。

 我々より知能が高い生命体の生活や技術がどんなものかは想像し辛いものがあるが、恐らく「大量のエネルギーを自由に生産できる文明であるのではないだろうか?」と科学者らは言う。

 ハーバード大学の天文学者、アビ・ロエブ氏はこう語る。「我々が地球上で作り上げているエネルギーは合計したところで、太陽が作り出すエネルギーの1兆分の1程にしか満たないのです。そう考えると、もし高度な文明が存在するとしたら ”最も近場の星1個を丸ごとエネルギー原に変えてしまおう” と考えるのが普通なのではないでしょうか?「問題はどうやって星1個を丸ごとエネルギーにするかです」。

知的生命体を定義するもの、「エネルギーの循環・新陳代謝」

この画像を大きなサイズで見る

 何をもって生命体とするかだが、バイダル教授はこの疑問に対してこう答えている。「私の言うスターリヴォアを生命体と定義するとき、”生命体は炭素・酸素・水素が必要だ” という固定概念は捨ててほしいのです。むしろ、全ての生き物に共有して言える ”エネルギーの循環・新陳代謝” が出来ていれば、それは生命体なのです」。

 ここで言う彼の生命体の定義を良しとした場合、外せないのが「連星」という星の一種だ。連星は双子星とも言い、二つの惑星が重力的に導かれ合う。こういった連星は時にお互いに近寄りすぎてしまった為、片方がもう片方を飲み込んでしまう事があるのだ。

謎を解く鍵となる連星

この画像を大きなサイズで見る

 バイダル教授は自身の博士号取得の切っ掛けとなった論文で、連星を「エントロピーの増大する内部組織のようなものであり、生命の一環である」と語っている。

 彼が言うには、この連星が一つになる際に起きるエントロピーの増減は単純に星同士の影響によるものではなく、片方の星に存在する生命体がもう片方の星を分解し、自身の星で使うためのエネルギーへと変換しているのではないか?という事である。

 勿論、全ての連星がそうだという訳ではないが「観測データから稀に送られる、” 少し離れた連星同士が、不要なガスのジェット噴射を不規則に起こしながら衝突する” という現象は、そういった高知能生命体が引き起こしているエネルギー調達の痕跡ではないか?」とバイダル教授は推測している。

この画像を大きなサイズで見る

 ちなみにバイダル教授のこの仮説だが、実は新しい物ではないのだ。

 1937年に出版されたオラフ・スタプレドン作の小説 「スターメイカー」 の中で、上記の説明と全く同じ、スターリヴォアのような存在が描かれているのである。また、バイダル教授は、惑星一つを丸ごと包み込み、その星で発生するエネルギーを全て吸収する「ダイソン球」という仮説の大型建造物に対して強いインスピレーションを受けたと公言している。

この画像を大きなサイズで見る

 「この仮説の一番大きな問題は、確たる証拠が未だに発見されていないことです。もしそういった生命体が実際に存在しており、少しでも痕跡が残されているのであれば直ぐにでも発見は出来るのでしょうが・・・」。と天文学者のロエブ氏は語る。そんなロエブ氏の発言にバイダル教授は同意しながらもこう続けた。

 「この説を否定するのは簡単です。しかし、この説を裏付ける痕跡を少しでも見つける為には、より多くの高エネルギー学に精通した天文学者・宇宙生物学者の力が必要なんです」。

 彼らは今現在も新しいチームメンバーを探している。彼らの研究が我々に夢をもたらせてくれるかも知れない。日本の天文学者・宇宙生物学者の方々、ぜひ彼等の研究に力を貸してあげてほしい。

via:motherboard・原文翻訳:riki7119

追記(2017/12/25): 本文の一部を修正して再送します

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 75件

コメントを書く

  1. まだ地球外生命体の痕跡1つ見つかってないのに
    とてつもない発想の飛躍だな
    まあ思考実験の類か

  2. いくら宇宙が広大で未踏だと言っても、何でもありって訳でもないでしょ。
    現実からかなり乖離しているように思える。
    SFとして楽しむ分には問題ないと思うが、これを研究している科学者がいれば、マッドサイエンティストじゃないの。

  3. 話は聞かせてもらった!(ガラッ
    地球は滅亡する!(ピシャン

  4. 小説の日本語訳を探す場合は オラフ・ステープルドン という表記で探すとよか。
    あと、恒星のエネルギー全てを利用すると言えばダイソン環天体であるが、人類がソレを構築するに至った場合、それもまたスターリヴォアと言えるのであろうか。

  5. ダイソン・スフィアは太陽系全体を囲うもの。その中で太陽のエネルギーを全て文明発展のために消費する。惑星じゃないから。その中では人類はエネルギーを生成しない。全て太陽から得る。究極のエコ社会。

    1. ※15
      ダイソン球殼のアイデアが提唱されたのはトップより遥か以前の話
      通ぶったつもりで無知暴露して笑いを取るとか、お前ホントいい奴だな

  6. 自分はバキューモンが浮かんだけど
    この手のクリーチャー結構いるのね

  7. 俺も真っ先にラヴォスをイメージしたな
    まぁラヴォスは恒星じゃなくて惑星だったけど

  8. ギャラクタス(Galactus)は、マーベル・コミックが出版する複数のアメリカン・コミックに登場する架空のキャラクター。スタン・リーとジャック・カービーによって創造された。初出は『ファンタスティック・フォー』誌48号(1966年3月)。
    惑星を崩壊させ、そのときに解放されるエネルギーを食べるコズミック・ビーイング(宇宙的存在)のひとり。「宇宙魔神」「コズミック・ディバウラー」「プラネット・イーター」等の異名を持つ。

  9. ジェノヴァとかラヴォスとか
    キュウベエと生命繊維は星じゃなくてそこにいる生物をくってるから、違うか

  10. 絵の通りの生き物がいたとしても取り込むのに1億年くらいかかるんじゃね
    まあ、高質量で宇宙空間に存在し続けるなら球体が理想だから蛇型はあり得ないが

  11. ダイソン球みたいな利用法すると星のスペクトルは特徴的なものになると思うんだけど。(完全に黒体輻射、またはダイソン球構造体のスペクトルになるとか)
    星を球殻で覆っても欲しいのは内外エネルギー差であって何らかの形でエネルギーを外に出さなきゃいけないので分かると思うんだけどなあ。

  12. 暗黒怪獣バキューモンもいるぞよ(帰ってきたウルトラマンより)

  13. ダイソン球への突っ込みがやっぱり入ってたw
    惑星だけ囲っても大してうまみないしな。

  14. そういえば、掃除機も蛇っぽい形してたよな、カラーリング次第では化けそうだ。

  15. ダイソン球ってスタートレックにあったな
    スタートレックの新TVシリーズまた始めてほしいわ

  16. 「まず、恒星エネルギー利用委員会の規定に従って下さい。勝手な恒星利用は罰せられます。」

  17. 高度に発達した文明は、真空から無限にエネルギーを汲み上げる方法(宇宙のどこにいても莫大なエネルギーを利用できる)を見つけているはず。そして真空を制御できれば時空を制御する事も可能になり、それを使えば全宇宙のどこへでも瞬時に移動できます。そんな「乗り物」と言えば、もうみなさんご存知ですね。そう、あれです。

    1. ※47
      それが出来るのはラプラスの魔しかいないよ。
      あるいはそのエネルギーを取り出すためには
      同じだけのエネルギーが必要。つまりプラマイゼロ。
      言い方を変えるとそれは永久機関を作ることと同義だ。

  18. 去年話題になった太陽から何かを吸収する巨大な黒い球体の映像ってこれのことだったのね。

  19. 原文?見てみたけど、やっぱり惑星じゃなくて恒星の話だと思う。
    タイトルからして「The Search for Starivores, Intelligent Life that Could Eat the Sun」ってなってるし。
    本文の中でも、starとは書いてあっても、planetとは書いてない。
    夜空の星って恒星じゃん?

  20. そういえば地球でさえ2045年に技術的特異点が来るらしいから
    仮に地球より進んだ文明があるならそれを通過しているだろうから間違いなく超文明なんだろうな

  21. 最初の画像が motorhead の another perfect day のジャケットかと思った

  22. 地球を生命体と考えれば、強ち間違ってはいなさそう!
    地球の内部には、マントルと言う太陽が有る。
    それに、光合成として太陽のエネルギーを存分に味わっている。
    地球は太陽がないと活動できないからね。
    地球にとって太陽が母だったら父親は誰になるんだ?

  23. こういう文明があったとしたら、地球人なんてそれと比較したら石器時代並みのエネルギー社会だろね。温暖化なんてでかい換気扇で解決してるかもしれないし、砂漠化や環境汚染なんていうことで悩んでるのはすごく原始的なことなのかも。

  24. こういう存在がいて地球人も最終的にそこに到達できれば
    資源の枯渇に悩まされないユートピアが作れる
    みたいな願望が見え隠れする

    1. ※60
      てか、どうして雄雌が必要だと?星は生物じゃないだろう。。。でもなんかファンタジーでいいぞ。

  25. >その星で発生するエネルギーを全て吸収する
    吸引力の変わらないただひとつの掃(ry

  26. 高度な文明=大量のエネルギーが必要
    って発想がいかにも白人ローカルじゃね。限られたエネルギーを極限まで効率的に消費する方が偉いし、強いだろ。

  27. あろひろしもこのネタで描いてたな
    プラネットイーターものはスケールでっかいから好きだ

    1. >>72
      このネタはA・ベリーの「十万年後」という、カッパブックスの新書に書かれている。あろひろしはたぶん、ちょうどソレを読んだくらいの年代じゃないかな。
      >>35
      実際のところ、フリーマン・ダイソンは、「進化した文明は恒星を覆い尽くすだろうから、スペクトル分析で発見できるに違いない。」と、1970頃に書いている。

  28. 実写版トランスフォーマーリベンジの古代トランスフォーマー文明(プライム王朝)がスターハーベスター(恒星収穫機)で恒星をエネルギー資源に変換してたみたいなものか
    文明の維持発展のためにはどうしてもより多くのエネルギーが必要になると考えると、巨大エネルギー源である太陽のような恒星を取り崩して一気に消費しようっていうのは本文にもある通り「普通」の発想なのかも
    もっとも、恒星を一気に消費するくらいの巨大文明が盛んにエネルギーを消費していたら「乱獲による恒星の枯渇」も視野に入ってくる(ちびちび使うのであればダイソン球とかと大差なく、わざわざ取り崩す必要は薄い)わけで、スターリヴォア文明が高エネルギー消費を維持しつつ長く栄えるのはなかなか難しそう

  29. 無限のエネルギー世界に住んでる住民からすればエネルギーに変換する必要もなく
    こういう星からエネルギーを吸い取るとかいう消費思考はこの世界独自のものであり 上位世界では存在しない思考
    簡単に言うといかにも人間らしい考え方

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。