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徐々に現実化する未来予測
・・・しかし、それほど人気のある作品であるにもかかわらず、映画『アトラス・シュラッグド』のほうは大失敗でした。
この映画は全部で三部作になっていますが、すべての興行成績はさんざんで、数十億円の赤字を出しています。
映画『アトラス・シュラッグド パート1』が2011年4月15日に限定公開で封切られた直後、「娯楽性が欠如」、「まとまりがない」、「作り手の自己満足」などの批判が集中しました。
この映画のプロデューサー、ジョン・アグリアロロ(John Aglialoro)は、「辛口の評価は政治的な理由によるものだと反論」。
映画製作に巨額の資金を投じた人々は、この映画の失敗にもまったく動じる様子がありません。
それもそのはず、この映画には、商業目的以外に別の目的があるからです。
・・・リバタリアンたちは、相互に関係するウェブサイトやブログのいくつかで、オープンコードと特殊な言い回しで、どこで会合を開くか取り決め、プライベートに密かに会うのです。暗号を使ってコミュニケーションを図っているのです。
彼らは、それぞれの反啓蒙主義の認識論や形而上学の問題に関するイデオロギーという点では、ほんのわずかの違いはあるものの、それ以外ではすべてがリバタリアニズムの世論形成の同じ仲間なのです。
リバタリアンたちのこの陰謀は、多くの場合、共和党員の背後で見られるものですが、ときには民主党員を支援するふりをしながら、政治家の候補を選び出すのです。
世界支配層はフィンテックと常温核融合によってイノベーションを起こす
・・・しかし、多少の金融の知識と多少の科学の知識を持っている人にとっては、新しい金融技術と新しいエネルギー開発によるイノベーションによって、グローバル・エリートたちが秘密裏に完全なる世界支配体制を実行に移そうとしていることが理解できるでしょう。
新しい金融技術と新しいエネルギー開発とは、それぞれ、フィンテック(Financial technology)と常温核融合(cold fusion)でほぼ間違いありません。(DVD:Atlas Shrugged)
・・・ただし、『アトラス・シュラッグド』のDVDパート2では、常温核融合とは特定していません。
「無限エネルギーを生み出す秘密の資源のありかが明らかにされ、それが政府の管轄から取り上げられる」という内容になっています。
グローバリズムとナショナリズムの対立構造
最近では、フランスの作家、ミシェル・ウェルベック(Michel Houellebecq)の『Soumission(邦題:服従)』が大ベストセラーになっています。(『服従』)
・・・ミシェル・ウェルベックの他の著書には邦題『素粒子』などがありますが、彼の書く本は、もともと「将来起こる確率の高い出来事について、事前にサジェス チョンを与えてくれる本として読むに値する」と評価が高く、最新刊のこの『服従』も御多分に漏れず、シャルリー・エブド襲撃事件を少なからず予知していた ことから、フランス、そしてEU諸国に近い未来に起こることを知っておこうとヨーロッパ人が我先にと買っていったことが大ヒットにつながったのです。
『服従』は、2022年、フランスにおけるイスラム政権の誕生をテーマにした近未来SF小説です。
・・・それは、フランスの極右政党「国民戦線」の指導者、マリーヌ・ルペンへの熱狂的な支持となって表れました。
ルペンの「国民戦線」の主張は、「反移民」「反EU」「ナショナリズム」です。
・・・一時期、フランス国民が期待したサルコジ、オランドの両方ともが、欧州統合のためにグローバル・エリート(国際銀行家集団)によって送り込まれたエージェントであることを悟った欧州の人々は、「本当の国益とは何か」について真剣に考え始めました。
そうした機運が、マリーヌ・ルペン党首が率いる極右政党「国民戦線」の台頭につながり、「国境の管理を再び厳重にすること」を訴えているルペンを、2017年フランス大統領選のトップランナーに押し上げたのです。
・・・フランスだけでなく、ヨーロッパ各国でグローバル・エリートが進める欧州統合に対してEU懐疑論が巻き起こっています。
フランスの国民戦線に続いて、英国では、EU懐疑主義のイギリス独立党(UKIP)が台頭し、ドイツではドイツ国家民主党(NPD)が、ギリシャでは超国家主義政党の「黄金の夜明け」といった具合。
その他、フィンランドの大衆主義政党「真のフィンランド人」、オランダの「自由党」、イタリアの「北部同盟」なども反EU主義を掲げ、欧州議会での議席を大幅に増やしています。ヨーロッパでのナショナリズムの台頭は、すで危険水域にまで達しています。
グローバリズムを理解できない安倍政権の迷走
では、大西洋の向う側のアメリカではどうでしょう。
共和党の大統領選候補に決まったドナルド・トランプは、イスラム教徒米国入国禁止を主張しています。
彼は、古き良き時代のアメリカ人です。彼は典型的なポピュリスト(「大衆迎合主義」のことではなく、「人民主義」のこと)でもあります。
確かにロイターが批判しているように、トランプの過剰なリップサービスが排他的ナショナリズムにつながってしまうことによって、「かえってイスラム過激派に有利に働く」でしょう。
反ルペン派の蜂起によってイスラム同胞団へ支持が集まっていることを考えると、アメリカでもイスラムに対する同情論がテロに対する警戒心を緩めることに結びついてしまうかもしれません。
・・・トランプについては、イスラム教徒米国入国禁止発言だけでなく、プーチンと信頼関係を築きつつあることからも、余計にグローバリストたちを刺激しているようです。
ルペンの国民戦線に至っては、マドンナにナチス呼ばわりされたことで訴訟沙汰にまで発展しています。
マドンナは、昔から、こうしたシンボリズムをステージ上やアルバムのジャケット、写真集などに多用しています。彼女は自身が、いわゆるイルミナティー(つまり、目的達成までの手段としてグローバリズムを推進するカルト宗教)であることを隠していません。
一見したところ、世界情勢は複雑多岐にわたっており、ほとんどの人は世界で何が起こっているのか理解していないように見えます。
しかし、その構造はしごくシンプルで、まさしく、グローバリズムとナショナリズムの戦いが繰り広げられているのです。
ただし、不可解なのは、日本だけが、このどちらでもないということです。
安倍政権は幸か不幸か、「国際主義」を理解していないので、総論ではグローバリズム、各論ではナショナリズムへの道を取っています。
したがって、「国際主義」の上位概念と「ナショナリズム」の下位概念の二重構造になっているため、両者の対立構造が表面化しないのです。
「あ~あ、これでせいせいした。これから我々のための新世界を創るとするか」
アイン・ランドの『アトラス・シュラッグド(邦題:肩をすくめるアトラス)』の結末で、読者は、最後に残った「1%の中の1%」である資本主義の超支配階級が労働者、貧乏人、政府の役人さえもいなくなった厳しい荒廃した風景に直面する光景に導かれます。
生き残ったごく一握りの超支配階級は、これを「新しい始まり」と呼ぶのです。
・・・もちろん、ジョン・ゴールトとは、フィリップ・ロスチャイルドのことです。
・・・事実、ティーパーティーの抗議デモでは、若者たちが「アイ・アム・ジョン・ゴールト」というプラカードを掲げて行進しているのです。
つまり、ティー・パーティーの運動家たちは、ジョン・ゴールトがフィリップ・ロスチャイルドのことを指していることを知ってか知らずかを、世界支配層を支持する側に回っているのです。
・・・つまり、ティーパーティーが巨大企業の暴走を止めようとしている、というのは、彼らの正体を隠すための擬態であるということです。
・・・人々が互いに傷つけあい、殺しあい、荒涼とした荒れ野に立ち尽くすしたジョン・ゴールトは、こう言うのです。
「あ~あ、これでせいせいした。さてっとぉっっ・・・これから我々のための新世界を創るとするか」。
アメリカのNWOスーパークラスの資産家たちは、ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットに教え諭されて、来るべき日のために余念がありません。
これが、アイン・ランドの「アトラス・シュラッグド」の結末です。
将来の金価格の崩壊と「666」の刻印
ここで、もう一冊、暗示的な本を紹介しておきたいと思います。
それは、デイビッド・ウィルカーソン(David Wilkerson:1931年5月19日~2011年4月27日)著の『The Vision(邦題:「幻」)』という本です。今から40年以上前に書かれた本です。(『幻』)
デイビッド・ウィルカーソンは、インディアナ州出身の牧師として全米で有名です。
・・・実際に手に取って読んでみた人なら分かると思いますが、『幻』に記されていることの半分程度は成就しています。後の半分は、これからということになるのでしょう。
彼の警告については、youtubeに多くの動画がアップされています。
また、デイビッド・ウィルカーソンの神からの啓示については、多くのウェブサイトで紹介されています。「デイビッド・ウィルカーソン」で検索してください。
この『幻』の中で特に目を引くのが、22ページから24ページにわたって書かれていることです。
これは、1973年に書かれたことです。
・・・「新世界通貨制度」を普及させるために、人間の皮膚に見えないRFIDを印刷する技術は既に完成しています。
「新世界通貨制度」こそが、キャッシュレス・エコノミーを可能にし、フィンテックに包含されていくはずです。
そして、さらに大きな枠組としては、※IoT(アイ・オー・ティー:Internet of Things)に組み込まれていきます。
(※第132号「マイナンバーは、IoTに乗り入れて神経政治学に利用されるようになる」に詳述 ブログのダイジェストはコチラ)
「国際統治委員会による世界貿易協定」とは、言うまでもなくTPPのような「自由貿易」に名を借りた戦略的な多国間協定のことです。
6年前の記事「アメリカから自由が奪われる20の兆候」を読んでください。そのほとんどが実現しています。
特に、「10)将来、犯罪を犯すかどうかを分析・予測するソフトウェア」は、自民党が国民を監視するために導入することを発表しています。
パナマ文書流出に必要以上に目を取られてはならない
本日10日、パナマのモサック・フォンセカ法律事務所からリークされた「パナマ文書」の一部が公表されました。
そこには、日本の大企業や経営者の名前が記されていますが、政治家の名前は今のところ出ていません。
・・・パナマ文書のリークは、オーソン・ウェルズの『1984年』、アイン・ランドの『アトラス・シュラッグド』、そして、デイビッド・ウィルカーソンの『幻』 が教えてくれる世界超政府への第一歩を踏み出すことになる一大イベントであったことが、きっと数年後になって大衆にも理解されるでしょう。
どうか、パナマ文書に名前の挙がっている企業や人々に必要以上に目を奪われることなく、大局を見失わないでください。
もっと、大きなうねりが迫っています。
・・・そして、最後にトップ画像の暗示・・・ジョン・ゴールトが掲げる1ドル札の意味を考えてみましょう。
ここまで読んできた方なら、これがドルの復活を意味するものではなく、「ドルよ、さらば」の合図であることが分かるはずです。
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