昔、何十万部も売れる本をどんどん出していたやり手編集者の人が、「本の中身を読ませたら負けだ」と言っていた。つまり、買って帰って、けっきょく読まないような本、それこそが売れる本だ、ということ。「中身で勝負」なんていうのは、その時点で負けていると言っていて、大変に衝撃的だった。
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
さらに、書店の店頭で立ち読みして買うか買わないか決められるような本もダメだと言っていた。まったく中身を見ずに、タイトル、表紙、帯コピーのみでレジに持って行く本、これこそが売れる本だと言っていた。つまり、1文字たりとも本文を読まない本こそが、売れる本だと。
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
さらに、書店の店頭で立ち読みして買うか買わないか決められるような本もダメだと言っていた。まったく中身を見ずに、タイトル、表紙、帯コピーのみでレジに持って行く本、これこそが売れる本だと言っていた。つまり、1文字たりとも本文を読まない本こそが、売れる本だと。
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
ここまで言われると、すがすがしかった。で、実際にそういう本を作っていて、たしかに売れていた。売れる本の奥義を教えてもらった気がした。読まない本こそが、最も売れる本というのは、なんだか東洋哲学的でさえある(笑)
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
他方に、「いい本なら売れなくてもいいのだ」という人もいる。個人的にはこういう人が好き。ただ、それだと、けっきょく本を出せなくなってしまうことが多い。それに、そういう本を本当に求めている人でさえ、その本の存在に気づかず、読めないまま、ということになりやすい。
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
中身のある本を、いかにして売るか。けっきょるはこれなんだが、先の「売れる本の奥義」から言っても、中身のあることと、売れることは、そもそも相反している。だから、普通のやり方では、妥協案的な、折衷案的な、煮え切らない、そこそこのものにしかなりにくい。
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
この編集者のもとで、何人もの著者が、何十万
部というベストセラーを出した。それはとても怖い光景だった。多くの人が、自分の実力と勘違いしてしまい、会社を辞めて専業作家になったり、事務所を作っ
て美人秘書を置いたり……そして、けっきょく借金になって消えていった……。
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
この手の編集者は、著者を育てるということは
ない。企画で勝負だから、次々と新しい著者に書かせていく。本の印税は通常は六ヶ月後か早くて三ヶ月後だが、翌月にはドンと前払いする。その噂を聞いて、
儲けたい著者がどんどん集まってくる。若い内に、こういうことを目の当たりにできたのは勉強になった
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
こう書くと、この編集者はひどい人のようだ
が、私は不思議に、あまり嫌いになれなかった。突き抜けていたからだろう。私は、売れる本を出しているからと威張って、売れない本を出している人を見下す
ような編集者や著者は好きではない。でもこの人は、自分を偉いと思っておらず、他を見下していなかった
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
「ぼくは本を商品だと思っている。でも、君はそうは思えないんだから、こういう仕事はしないほうがいいよ」と忠告してくれた。若い頃の懐かしい思い出だ……。
— 頭木弘樹 (@kafka_kashiragi) 2014, 2月 11
こんな本出てたのか。 pic.twitter.com/5Rt5dvOuCi
— ケイン (@crazy_asianxxx) 2014, 2月 11
コメント
コメント一覧 (38)
て、積読が一発で変換できたことに驚きだわ。
最近のライトノベルとか、内容らしきものが題名だったりするしね。
自分が作りたいものを作るのではなく、客が欲しがるものを作るべきだ。
CMなら、女、子供、動物。
ドラマなら、イケメンと恋愛
アニメなら、萌え路線。
中身なんか見て買う客はいない。
そういう幸せな結婚は難しいんだろうねぇ。
「客が欲しがるもの」ではなく、「欲しいわけじゃないけど買っちゃうもの」っていうのが
このヤリ手編集者のミソなんじゃないかな?
タイトルとかオビとかで。
専門書みたいに多面的な発見をする本はバカ売れすることはない
どちらが性に合うかは読む個人次第
超正解
誰が何を買いたがってるか売りたがってるかを他人より早く知る事が最重要で
売買対象の中身なんてどうでもいいんだよね
金を出したくなる物を用意できるこの編集者を突き詰めると故ジョブズになるんだろうね
世の中が豊かだった時代は粗製濫造でもよかったかもしれないが、アマゾンでレビューを確認できる現代なら、アナログ派や直感派以外には訴求しないのでは?
消費者の目が肥えてくると通用しないどころか不信をまねいて業界が衰退するんだよね
その頃にはそいつらは金蓄えていなくなってるから性質が悪い
まさにIPOと同じ構図だな
「編集(とか出版社)の力の見せ所は、売れそうにないものを大ヒットさせる所にある!」みたいな感じで
あれ、後半は論理破綻してるのにな
曲を聴いてから買うのは面倒くさいからな。
ジャケットと、初回特典目当てに交わせればそれで良い。
あと握手券とか。
うーん、けど、買うだけで中身読まないからいつまで経っても目が肥えないかもしらんね・・・w
あって笑った
いくら調べる手段が豊富になっても、調べること自体を面倒臭がる人は一定数いる。
アレって性格なのかね。
この編集者を責めないっていうのは保身だよね
これじゃ町から本屋が消えていくことも必然だ。
買ったはいいけど1回もやってねえわ
本がつまらないって言ってそうだな
あそこのタイトルの付け方は絶品だよな
お決まりの電車広告「大反響10万部突破!」「問題点の箇条書き」
そして、読み終えたときの失望感までがフォーマット
サンマークは値段を抑えてるからまだ良心的
問題はフォレストよ
違う違う、逆だよ
本を買ってくれる客(君のいうバカ)相手に商売出来るなら、それは繁盛するはずなんだ
でも本屋が潰れているって事はそういう人がいなくなっているって事
どんな分野もどんな業界も、何も考えずに買ってくれる客こそが発展させてくれる
今はそんな人達はネットで十分だから、商売にならなくなったんだよ
著者の名前くらいしか見ないからなぁ…
いまいちな本をすごく面白そうな本だと期待させて売ってると次第に本全体のイメージを落としていくんじゃないかと思う。
本が売れてた時期にそう豪語する人がいたってことは、今の状況は必然なわけね。
さおだけ屋は中身は読まれてる方なんじゃないかなあ。
さおだけ屋はブコフで立ち読みしたけど、マジで中味なかった。あんなもん真面目に読むのは社二病の代名詞みたいなもんだろ。まだ日商簿記のテキスト読んだ方が100倍中味あると思うわ。
意識高い層が一番ターゲットになりそうなイメージ