今週のメルマガの前半部の紹介です。
安倍総理が発表した新たなスローガン「一億総活躍社会」が話題となっています。「一億玉砕!」的なスローガンを連想して拒否感のある人もいるようですが、筆者は意外と本質を突いた良い表現だなと思いますね。なぜなら、それは我々を待ち受ける未来を、変に誤魔化すことなく、初めて率直に為政者自身が語った言葉だからです。というわけで、今回は“一億総活躍社会”について述べようと思います。
これから誰がどうやっても日本が一億総活躍社会になっていかざるをえないワケ
少子高齢化の進展により、日本の人口構造が相当にいびつなものとなっていることは、既に多くの識者が指摘している事実です。日本の各種社会保障は現役世代がリタイヤ世代を支える賦課方式です。現在はだいたい3人の生産年齢人口で1人の高齢者を支えていますが、30年後にはおよそ1.4人で1人の老人を支えることになります。
この生産年齢人口は中学生も含まれているので、実際はもっと少なく、ほぼ一人の現役世代で一人の老人を肩車するという、いまだかつて人類が経験したことのない社会が到来することはほぼ確実なわけです。いま30-40代の働き盛りの人は、家に妻子に加えてもう一人知らない爺さん婆さんがいて、その人の生活費と医療費も全額負担せにゃならん未来を想像するとリアリティが増すと思われます。
ひょっとすると「最悪、年金が半分になるくらいじゃないか」と考えている人もいるでしょう。でも、筆者はそれはまだまだ甘いと思います。過去20年くらいの社会保障制度見直しを見ていても明らかなように、制度の不利益変更は(多数派である)現在の高齢者に最大限配慮して行われるものです。つまりギリギリまで問題は先送りし、積立金などを使い切ってにっちもさっちも行かなくなった段階で突然ドカンと不利益が降ってくると思われます。
恐らく、あと20年くらいじりじり負担だけ増え続けた挙句、団塊世代がだいぶ減ったころになって(つまり団塊ジュニアが60歳前後になったタイミングで!)「これからは生涯現役!80歳になったらお見舞金代わりに金一封払うから」みたいな超えげつない改革が断行されるでしょう。だって「国家公務員人件費2割削減公約」を果たすために「国家公務員新卒採用4割カット」をやっちゃう国ですから(笑)
きっと「上の世代がやったように将来世代の借金でまかなえばいいじゃないか」と思っている人もいるでしょうが、アレは本来、将来的に経済が成長することを前提とした前借りであって、人口減少で経済も恐らく頭打ちな国では無理筋です(むしろ我々は借金に頼るどころか、過去分の返済に追い込まれる局面が10年以内に到来すると筆者は見ています)。
一方で、経済界や経済学者を中心に、この問題への処方箋として「思い切った移民受け入れの拡大」を求める声も根強くあります。確かに、アメリカが今でも2.0前後の出生率を維持できているのは、出生率が高く若い移民を年50万人以上受け入れている結果であり、ドイツのように出生率の低さを移民受け入れで補おうとする国があるのも事実です。
でも、筆者は移民受け入れには現状では賛成できません。アウトサイダーを受け入れて共存していくには社会の一定の流動性が不可欠ですが、そんなものが今の日本にあるとはとても思えないからです。たとえば「就職氷河期世代にたまたま世に出て今でもフリーターやらされてる人たち」は運が悪かったね可哀想だねで今のところシャレで済んでますけど、彼ら移民が同じような扱いをされればシャレで済まないと筆者は考えています。
というわけで、結局のところ、日本は年齢や性別によらず誰でも能力によって自由に働ける、というより働かねばならない流動的な社会に変わっていくしかないわけです。それは、「一億玉砕」みたいなワケわかんないイメージではもちろんないですが「みんなが活躍できるバラ色の社会」とも違うニュアンスだと筆者は思います。安倍ちゃんが言っているのは、たぶんこういうことです。
フォローしておくと、別に安倍ちゃんが悪いわけでもなんでもなく、たぶん民主-共産連立政権が出来たって、こういう未来は確実に20年以内に到来するということです(アンチビジネスが信条の民主-共産連立政権が出来たらもっと悲惨な未来となるでしょうけど)。
以降、
一億総活躍社会向けスキル一覧
「仕事が好きになる」から「好きなことを仕事にする」社会へ
※詳細はメルマガにて(夜間飛行・BLOGOS・ビジスパ)
Q:「優秀な社員ほど異動しにくい説は本当?」
→A:「優秀な社員ほど上司は手放したがらないものです」
Q:「TPPによる労働市場への影響は?」
→A:「あえて言えば企業の制度改革を後押ししてくれるでしょう」
ショートショート「出世が好きな人、仕事が好きな人」
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安倍総理が発表した新たなスローガン「一億総活躍社会」が話題となっています。「一億玉砕!」的なスローガンを連想して拒否感のある人もいるようですが、筆者は意外と本質を突いた良い表現だなと思いますね。なぜなら、それは我々を待ち受ける未来を、変に誤魔化すことなく、初めて率直に為政者自身が語った言葉だからです。というわけで、今回は“一億総活躍社会”について述べようと思います。
これから誰がどうやっても日本が一億総活躍社会になっていかざるをえないワケ
少子高齢化の進展により、日本の人口構造が相当にいびつなものとなっていることは、既に多くの識者が指摘している事実です。日本の各種社会保障は現役世代がリタイヤ世代を支える賦課方式です。現在はだいたい3人の生産年齢人口で1人の高齢者を支えていますが、30年後にはおよそ1.4人で1人の老人を支えることになります。
この生産年齢人口は中学生も含まれているので、実際はもっと少なく、ほぼ一人の現役世代で一人の老人を肩車するという、いまだかつて人類が経験したことのない社会が到来することはほぼ確実なわけです。いま30-40代の働き盛りの人は、家に妻子に加えてもう一人知らない爺さん婆さんがいて、その人の生活費と医療費も全額負担せにゃならん未来を想像するとリアリティが増すと思われます。
ひょっとすると「最悪、年金が半分になるくらいじゃないか」と考えている人もいるでしょう。でも、筆者はそれはまだまだ甘いと思います。過去20年くらいの社会保障制度見直しを見ていても明らかなように、制度の不利益変更は(多数派である)現在の高齢者に最大限配慮して行われるものです。つまりギリギリまで問題は先送りし、積立金などを使い切ってにっちもさっちも行かなくなった段階で突然ドカンと不利益が降ってくると思われます。
恐らく、あと20年くらいじりじり負担だけ増え続けた挙句、団塊世代がだいぶ減ったころになって(つまり団塊ジュニアが60歳前後になったタイミングで!)「これからは生涯現役!80歳になったらお見舞金代わりに金一封払うから」みたいな超えげつない改革が断行されるでしょう。だって「国家公務員人件費2割削減公約」を果たすために「国家公務員新卒採用4割カット」をやっちゃう国ですから(笑)
きっと「上の世代がやったように将来世代の借金でまかなえばいいじゃないか」と思っている人もいるでしょうが、アレは本来、将来的に経済が成長することを前提とした前借りであって、人口減少で経済も恐らく頭打ちな国では無理筋です(むしろ我々は借金に頼るどころか、過去分の返済に追い込まれる局面が10年以内に到来すると筆者は見ています)。
一方で、経済界や経済学者を中心に、この問題への処方箋として「思い切った移民受け入れの拡大」を求める声も根強くあります。確かに、アメリカが今でも2.0前後の出生率を維持できているのは、出生率が高く若い移民を年50万人以上受け入れている結果であり、ドイツのように出生率の低さを移民受け入れで補おうとする国があるのも事実です。
でも、筆者は移民受け入れには現状では賛成できません。アウトサイダーを受け入れて共存していくには社会の一定の流動性が不可欠ですが、そんなものが今の日本にあるとはとても思えないからです。たとえば「就職氷河期世代にたまたま世に出て今でもフリーターやらされてる人たち」は運が悪かったね可哀想だねで今のところシャレで済んでますけど、彼ら移民が同じような扱いをされればシャレで済まないと筆者は考えています。
というわけで、結局のところ、日本は年齢や性別によらず誰でも能力によって自由に働ける、というより働かねばならない流動的な社会に変わっていくしかないわけです。それは、「一億玉砕」みたいなワケわかんないイメージではもちろんないですが「みんなが活躍できるバラ色の社会」とも違うニュアンスだと筆者は思います。安倍ちゃんが言っているのは、たぶんこういうことです。
「株に突っ込んじゃったし、年金なんて期待しないでよw 株やってる人は儲かったろうからそれでチャラにしてよw
老人医療費?盲腸とか風邪薬とか最低限は保証するけど、それ以上欲しかったら混合診療にするから自分で金出してよww
賃上げ?生産性上がってないのに出来るわけないじゃんwww お金が欲しかったら配偶者でも祖父母でもバイトに出して世帯年収稼いでよwww
生活保護?年金も払えなくなりそうなのにそんなの維持できるわけないじゃんwwww
古米の炊き出しくらいで我慢してよwwww
要するに、今の生活水準維持したかったら、体動く奴は全員死に物狂いで働けよwwwww」
フォローしておくと、別に安倍ちゃんが悪いわけでもなんでもなく、たぶん民主-共産連立政権が出来たって、こういう未来は確実に20年以内に到来するということです(アンチビジネスが信条の民主-共産連立政権が出来たらもっと悲惨な未来となるでしょうけど)。
以降、
一億総活躍社会向けスキル一覧
「仕事が好きになる」から「好きなことを仕事にする」社会へ
※詳細はメルマガにて(夜間飛行・BLOGOS・ビジスパ)
Q:「優秀な社員ほど異動しにくい説は本当?」
→A:「優秀な社員ほど上司は手放したがらないものです」
Q:「TPPによる労働市場への影響は?」
→A:「あえて言えば企業の制度改革を後押ししてくれるでしょう」
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そんな回りくどい言い方じゃなく、一億総公務員でいいんじゃね。
昔は国家総動員法とかで一億玉砕を叫んだんだから、今は国家総活躍法でも作って一億総公務員を叫べばいいのよ。