2013年11月15日
日本電気株式会社
|
|
SX-ACE(最大8ラック) |
SX-ACE(1ラック) |
NECは、世界最速のプロセッサコア性能を有するベクトル型スーパーコンピュータ「SXシリーズ」における最新モデル「SX-ACE」を本日より日本国内および海外向けに販売開始します。
「SX-ACE」は、「SXシリーズ」初となるマルチコア型ベクトルCPUを搭載し、世界一のコア性能(
注1)と世界一のコアメモリ帯域(
注2)を実現しました。単一ラック当たりの性能は前機種に比べ10倍に向上し、科学技術計算アプリケーションにおいて高い実効性能と使いやすさを提供します。また、NEC独自の最先端LSIテクノロジ、高密度設計、高効率冷却技術などにより、従来機種と比較し、消費電力を10分の1、設置面積を5分の1に低減(
注3)しました。
ベクトル型スーパーコンピュータは、科学技術計算や大規模データの高速処理を得意とし、気象予報、地球環境変動解析、流体解析、ナノテクノロジーや新規素材開発などのシミュレーションにおいて高いアプリケーション性能を実現します。NECの「SXシリーズ」は、これらの領域において、全世界で1400台以上の累計販売実績を有しています。「SX-ACE」は従来の「SXシリーズ」と同様に、高性能と使いやすさの両立を目指して開発したスーパーコンピュータで、コア当たりのアプリケーション性能を世界最速レベルとすることで、より少ない利用コア数でも、より高い性能を実現します。
新製品「SX-ACE」の主な特長は以下の通りです。
- 世界一のコア性能とコアメモリ帯域
単一コアで高い性能や広いメモリ帯域を実現する、従来のSXベクトルアーキテクチャを継承しつつ、アーキテクチャの強化と低消費電力設計により、世界一の単一コア性能となる64ギガフロップス(GFLOPS:1秒間に10億回の浮動小数点演算性能)、および世界一の単一コアメモリ帯域となる64ギガバイト/秒を実現しました。これにより、一般に多数のプロセッサの利用を必要とするスカラ型並列コンピュータと比較して、少ないプロセッサ数でも、複雑な科学技術計算において高い性能が得られ、並列プログラミングの負担も軽減されます。
「SXシリーズ」初となる新開発マルチコア・ベクトルCPUには、高性能コアを4つ搭載し、256ギガフロップスの演算性能と256ギガバイト/秒のメモリ帯域を実現します。このマルチコア・ベクトルCPUを1ノードとして、片方向あたり最大8ギガバイト/秒の超高速インターコネクトにより、1ラックあたりノードカードを最大64枚搭載し、16テラフロップスのラック演算性能、および16テラバイト/秒のメモリ帯域を実現し、最大8ラックで、512ノードを接続し、演算性能131テラフロップス(TFLOPS:1秒間に1兆回の浮動小数点演算性能)となるクラスタシステムを構成します。さらに、10ギガビットイーサネットにより複数のクラスタシステム間を接続することで、マルチクラスタによるシステム規模の拡張が可能です。
- 最先端の高密度設計や冷却技術による低消費電力、省スペースの実現
4つの高性能コア、メモリ制御部、ネットワーク制御部、およびI/O(周辺)制御部1チップに集約したプロセッサを11cm×37cmの小型のノードカードに搭載。これにより、従来機種比で、同一性能あたり10分の1の消費電力、および5分の1の設置面積(注3)を実現しました。
- 使いやすさを重視した計算環境
「SX-ACE」は、ユーザが培ってきたアプリケーション資産をそのまま継承して、高速にアプリケーションを実行することが可能です。また、世界最速のコアの実現により、従来と比較して少ないコア数で高い演算性能の利用が可能となり、スーパーコンピュータのアプリケーション開発者・研究者に対し、プログラミングや性能向上が容易なシステムを実現しています。NECはアプリケーション開発環境として、「SX-ACE」の性能を最大限に活用可能なコンパイラ・ライブラリ群、プログラム開発支援機能を提供します。
新製品の販売価格は、レンタル月額で450万円(税込)からです。
なお、NECは、「SX-ACE」の後継機として、従来のスーパーコンピュータ領域に加えて、産業応用領域やビッグデータ解析をターゲットとした次世代高性能サーバの検討を開始しました。
NECは「SX-ACE」を、世界最大のスーパーコンピュータ国際会議/展示会である「SC13」に出展します。(会期:2013年11月17日~22日、米国コロラド州デンバー)
新製品の詳細につきましては、
別紙をご参照ください。
【別紙】 「SX-ACE」の主な仕様
以上
(注3) 従来機種「SX-9」と新製品との比較、NEC調べ。
※ SX-ACEは、日本および米国における日本電気株式会社の登録商標です。
参考
・ベクトル型スーパーコンピュータ:
ベクトルプロセッサという科学技術計算向きの高速プロセッサを搭載し、一つのベクトル命令で配列要素を一括処理することにより大規模・複雑な計算を高速処理できるスーパーコンピュータ。気象、航空宇宙、環境、流体解析、物性計算などに適している。
・スカラー型スーパーコンピュータ
汎用的なプロセッサを多数並列接続することで高速処理を実現する方式のスーパーコンピュータ。遺伝子解析など多数の業務の同時処理や粒子計算など並列化が容易な計算に適している。
本件に関するお客様からの問い合わせ先
私たちNECグループは、
「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現する
グローバルリーディングカンパニー」を目指しています。
|