NY市場サマリー(3日) 株価反発、ドル下落 利回り上昇

<為替> ドルが下落した。ただ、米経済が今年も引き続き他国をアウトパフォームし、米金利が比較的高水準を維持するとの見方から、週間ベースでは1カ月ぶりの大幅な上昇率となる見通し。
依然として堅調な労働市場とインフレの高止まりを背景に、ここ数週間で米債利回りは上昇し、ドルへの需要が高まっている。
主要通貨に対するドル指数は、0.28%安の108.91となった。それでも週間ベースでは0.85%の上昇となる見込み。
ユーロは0.39%高の1.0305ドルとなった。ただ、週間では1.22%安と、昨年11月初旬以来の大幅な下げとなる勢い。
ポンド/ドルは0.41%高の1.2431ドル。週間では約1.15%安と、11月初旬以来最大の下落率となる見込み。
ドルは対円で0.26%安の157.11円と、12月に付けた5カ月ぶりの高値である158.09円をわずかに下回る水準で推移した。
オンショア取引で中国人民元は1ドル=7.3199元と、1年超ぶりの安値。追加利下げ観測などが引き続き人民元の重しとなっている。
暗号資産(仮想通貨)のビットコイン1.59%高の9万8658ドル。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りがこのところの高水準付近で安定的に推移した。商いが薄い状態が続いており、来週に発表される12月の雇用統計などの一連の経済指標を待つ展開となっている。
この日の経済指標では、米供給管理協会(ISM)発表の2024年12月の製造業景気指数が49.3と、11月の48.4から上昇し、9カ月ぶりの水準まで回復した。ただ市場の反応は限定的だった。 もっと見る
米連邦準備理事会(FRB)は2024年に3回の利下げを実施し、政策金利を合計1.0%ポイント引き下げた。FRBは失業が低水準にある中、インフレが根強いことを背景に、1月の会合で金利据え置きを決定するとの見方が大勢。金利先物市場では約90%の確率で金利は据え置かれると予想されている。3月の会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は約50%。
来週は財務省が合計1190億ドルの国債入札を実施。7日に3年債(580億ドル)、8日に10年債(390億ドル)、9日に30年債(220億ドル)の入札を実施する。
終盤の取引で10年債利回りは1.4ベーシスポイント(bp)上昇の4.589%。
30年債利回りは1bp上昇の4.8079%。
金利見通しを敏感に反映しやすい2年債利回りは2bp上昇の4.268%。
2年債と10年債利回り格差は31.9bpと、前日からやや拡大した。
米金融・債券市場:
<株式> 主要株価3指数が反発して取引を終えた。年末年始休暇明けが近づく中、市場では連邦準備理事会(FRB)の追加利下げやトランプ新政権による企業優遇政策への期待が高まりつつある。
この日は幅広い銘柄が上昇。とりわけ電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabや半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabなどの大型グロース株の上昇が寄与し、ハイテク銘柄中心のナスダック総合(.IXIC), opens new tabの上げが最も大きかった。
S&Pの主要11セクター全てが上昇し、中でも一般消費財(.SPLRCD), opens new tabが最大の上昇率を記録した。
ただ、週間では3指数は軒並み小幅下落した。
米供給管理協会(ISM)が発表した2024年12月の製造業景気指数は49.3だった。ロイターがまとめた12月の市場予想は横ばいだった。 もっと見る
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、トランプ次期政権の経済政策を巡り不確実性が存在するものの、成長に対するリスクは「下振れよりも上振れの方が大きい」とし、25年の米経済見通しは明るいという見解を示した。 もっと見る
個別銘柄では、鉄鋼大手USスチール(X.N), opens new tabが6.5%安。バイデン大統領は、日本製鉄(5401.T), opens new tabによる買収計画を阻止する決定を下した。 もっと見る
マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabは1.1%高。同社はこの日、人工知能(AI)モデルのトレーニングや運用などに対応するデータセンターの建設に、25年度に約800億ドルを投じる計画を明らかにした。 もっと見る
米国公衆衛生局のマーシー長官が、アルコール飲料のラベルについて、がんの発症リスクを明記すべきとの見解を示したことを受け、飲料メーカーの株価が下落。ビール大手モルソン・クアーズ(TAP.N), opens new tabと洋酒大手ブラウンフォーマン(BFb.N), opens new tabはそれぞれ3.4%、2.5%下げた。 もっと見る
米国株式市場:
<金先物> 利益確定の売りに押され、3営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比14.30ドル(0.54%)安の1オンス=2654.70ドル。
前日までの上伸の反動から値固め局面となり、利食い売りが優勢となる展開だった。また、根強いインフレ圧力などを背景に米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げペー ス鈍化観測が広がる中、米長期金利が高止まり。金利を生まない資産である金の投資妙味 が減退し、金の上値を抑えた。米サプライ管理協会(ISM)が3日発表した昨年12月の製造業購買担当者景況指数 (PMI)は49.3と、市場予想を上回ったが、相場の反応は限定的だった。
NY貴金属:
<米原油先物> 米欧での寒冷天候の予報が強材料視されたほか、中国による景気刺激策を期待した買いが入り、5営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物は前日清算値(終値に相当)比0.83ドル(1.13%)高の1バレル=73.96ドルと、中心限月の清算値ベースで2024年10月上旬以来約2カ月半ぶりの高値を付けた。3月物は0.71ドル高の73.21ドル。
財新/S&Pグローバルが2日発表した12月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)は、50.5と前月の51.5から低下し、市場予想の51.7も下回った。同国経済の低迷が懸念される中、投資家は中国が打ち出す新たな景気刺激策に注目。今年3月の全国人民代表大会(全人代)で、国内総生産(GDP)の2%規模の追加景気刺激策が打ち出されると予想する向きもあり、市場ではエネルギー消費大国である中国の景気が回復すれば石油需要が増大するとの見方が広がり、買いが入りやすい地合いとなった。
NYMEXエネルギー:

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab