石炭消費量、20年までに石油上回る=コンサルタント会社

[大邱(韓国) 14日 ロイター] - エネルギーコンサルタント会社ウッドマッケンジーは14日、石炭が2020年までに世界経済を支える主要燃料として石油にとって代わるとの見通しを示した。中国とインドの需要で世界の石炭消費は大きく伸びるとしている。
世界エネルギー総会(WEC)で同社が行ったプレゼンテーションによると、世界の石炭消費量は2020年までに石油換算で25%増の45億トンとなり、石油の44億トンを超える。インドと中国で相対的に安価な石炭の需要が大きい。一方、他のアジア諸国や欧米では需要が横ばいになると予想されている。
ウッドマッケンジーのグローバルマーケッツ部門プレジデント、ウィリアム・ダービン氏は、中国の需要だけでほぼ世界の石炭消費を押し上げると説明。国内生産に限りのある天然ガスや、コストの高い液化天然ガス(LNG)など輸入燃料に比べると石炭は豊富で価格が手頃とした。また再生可能エネルギーは電気の安定供給に不十分なため、石炭が主要エネルギー源にとどまると述べた。
同氏によると、中国とインドを除けば、現在の法規制下での世界の石炭需要は現在の水準から変わらない。
ただ世界の石炭価格は、供給過剰や中国の需要の伸び鈍化でここ数年急落している。
ダービン氏は、各国政府が進める二酸化炭素の排出削減に向けた取り組みに関連し、欧州連合(EU)の排出量取引制度(ETS)について「低水準の石炭価格や景気減速で効果を上げていない」と指摘。二酸化炭素排出権の取引価格が1トン当たり40ユーロ程度にならなければ、同制度は燃料の移行に寄与しないとの見方を示した。

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