BRICS諸国、外貨準備の共同構築と開発銀行創設を承認へ

[ワシントン/ブラジリア 21日 ロイター]  BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの主要新興5カ国)は26―27日に南アフリカのダーバンで開く首脳会議で、外貨準備の共同構築とインフラプロジェクトを支援する開発銀行の創設に向けた計画を承認する見通し。政府高官が21日、明らかにした。
政府当局者によると、5カ国首脳は、ブラジルを中心とする作業部会がまとめた外貨準備の共同積み立てに関する報告書と、インド・南アを中心とする作業部会がまとめた開発銀行創設に関する報告書について協議する。報告書は、両プロジェクトは実行可能として、実施を提言しているとみられる。
ブラジルの政府高官は「メンバーの間に一部意見の相違はあるが、2つのプロジェクトにはゴーサインが出ると思われる」と発言。ロイターに対し、外貨準備の共同積み立ては当初900億―1200億ドルの規模になるとの見方を示した。ただし、会議終了後に発表される最終声明に具体的な数字が盛り込まれる公算は小さいとした。
計画の概要に関する文書によると、積み立て金は、新興国が困難な収支状況に見舞われた場合に活用されるほか、世界的な金融危機下で経済の安定化に向けて利用することが可能。 開発銀行は、新興国や途上国の道路や港湾施設などの建設資金を支援する。別の高官によると、5カ国はまず500億ドルの資金注入を検討している。銀行の規模、拠点、組織などの詳細について協議される見通しだが、今回の首脳会議では合意に至らないとみられている。

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