出口における国債縮小「いずれ議論」、いろいろな考え=日銀総裁

出口における国債縮小「いずれ議論」、いろいろな考え=日銀総裁
11月7日、黒田東彦日銀総裁は参議院財政金融委員会で、異次元緩和の出口戦略について、現時点での具体的な議論は時期尚早との考えをあらためて表明した。10月撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)
[東京 7日 ロイター] -黒田東彦日銀総裁は7日午前の参議院財政金融委員会で、異次元緩和の出口戦略について、日銀が掲げる2%の物価安定目標の実現は「まだ遠い」とし、現時点での具体的な議論は時期尚早との考えをあらためて表明した。一方で、目標達成時における大量に保有する国債の取り扱いについて、縮減方法などをいずれ議論したい、と語った。
大塚耕平委員(民主)の質問に答えた。
黒田総裁は、出口戦略について、大胆な金融緩和政策の導入に際して「将来を一切考えないでやる事はない」とし、「当然、いろいろ考えがある事は事実だ」と語った。
もっとも、具体的に議論する段階では「その時の経済・金融情勢を踏まえる必要がある」と指摘。2%の物価安定目標の実現も「まだ遠い」と述べ、「今、出口戦略について、具体的に議論するのは時期尚早だ」と繰り返した。
日銀はマネタリーベースを大量に供給するため、長期国債を中心に大量の国債を買い入れており、長期国債の保有額は130兆円を超えている。目標達成時に金融政策を正常化する場合、国債残高をどのように縮減していくかが課題となるが、黒田総裁は「どのようなテンポで(国債を)減らしていくのか、手法はいろいろある」とし、「そうした問題も含め、出口についていずれ具体的に議論したい」と語った。
その後に答弁した岩田規久男副総裁も、尾立源幸委員(民主)の質問に対して「現時点での出口戦略の具体的議論は時期尚早」と発言。出口の順序や手段は「その時の経済・物価情勢や、市場の状況によって変わり得る。国債の取り扱いを含め、現時点で話すことは適当でない」と語った。
(伊藤純夫:編集 宮崎大)
*内容を追加して再送します。

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