南ア自動車工場で賃上げ求めスト、生産がほぼ停止

南ア自動車工場で賃上げ求めスト、生産がほぼ停止
8月19日、南アフリカの自動車工場で働く約3万人の労働者は、賃金引き上げを求めてストライキに突入し、業界全体がほぼ停止状態となった。写真はトヨタのロゴマーク。ブリュッセルで2012年10月撮影(2013年 ロイター/Francois Lenoir)
[ケープタウン 19日 ロイター] - 南アフリカの自動車工場で働く約3万人の労働者は19日、賃金引き上げを求めてストライキに突入し、業界全体がほぼ停止状態となった。
南アフリカ自動車工業会(NAAMSA)によると、生産停止による損失は1日当たり6億ランド(6000万ドル)となる見通し。
同国で操業する自動車メーカー7社のうち、トヨタ自動車<7203.T>、米フォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)を含む5社は生産が停止、あるいは影響を受けていると公表した。
ストは国内最大の製造業労働組合である、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)が先週呼びかけたもので、同労組は賃金の20%引き上げを求めている。同国のインフレ率である5.5%を上回る。自動車メーカーは6%の引き上げを提案している。
中央銀行は高水準な賃金の伸びが消費者物価に与える悪影響について警告しているが、労働者は経済的余裕があまりない。失業率が高いため、扶養家族を複数抱える労働者も多い。
自動車業界は南アフリカ国内総生産(GDP)の6%以上を占めている。
鉱山業界でも、労組が最大150%の賃上げを求めていることから、ストライキに突入する可能性が高まっている。過去1年半に実施された同業界のストライキは60人以上の犠牲者をだし、経済の成長を鈍化させ、ランド安を引き起こし、ソブリン債格付けの引き下げにつながった。
トヨタの現地法人は8000人強の従業員のうち80%が職務を放棄していると述べた。
BMWの現地法人の広報担当、Guy Kilfoil氏は、ストライキによって1日当たり345台の生産が影響を受けていると述べた。
同国自動車業界の賃金は基礎的労働で1カ月当たり850ドル、資格を持つ技術者で同1800ドルとなっている。
*内容を追加して再送します。

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