米スプリントがデータ通信定額制の永久保証を表明、顧客増図る

米スプリントがデータ通信定額制の永久保証を表明、顧客増図る
7月11日、米第3位の通信会社スプリントは、月ごとの定額料金で無制限のデータ通信を提供するサービスを永久に保証すると発表した。ニューヨークで昨年10月撮影(2013年 ロイター/Keith Bedford)
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米第3位の通信会社スプリントは11日、月ごとの定額料金で無制限のデータ通信を提供するサービスを永久に保証すると発表した。
業界首位のベライゾン・ワイヤレスや2位のAT&Tの顧客を呼び込むことを目指す。
スプリントはすでに月定額での無制限のデータ通信サービスを提供しているが、アナリストは同社のネットワーク容量のひっ迫懸念から、ライバル社と同様にデータ通信量に応じて課金する従量制を最終的には採用せざるを得なくなる可能性を指摘していた。
スプリントのダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、新たな保証は、無制限のデータ通信サービスがある時点で終了することだけを理由にベライゾン・ワイヤレスやAT&Tからスプリントに乗り換えることをためらう顧客を安心させると表明。この保証がスプリントをライバル社と「明確に差別化する」と述べた。
2007年12月のCEO就任以来、顧客減少対策に取り組んできたヘッセCEOは、スプリントが無制限データ通信サービスを永久に保証できるための容量を獲得するため、無線の周波数ライセンスを大量に保有するクリアワイヤの買収を完了させる必要があった、と説明。クリアワイヤの周波数を取得できなければ、スプリントのネットワーク容量はあと数年で足りなくなっていたとの見解を示した。
スプリントの定額での無制限のデータ通信サービスは、有利なマーケティング材料となる。ただ、調査会社BTIGのアナリスト、Walt Piecyk氏はライバル社からの顧客獲得に成功するかどうかは、スプリントがネットワークをいかに迅速に強化できるかにかかっていると指摘。「スプリントのネットワークに対する認識を変える必要がある」と述べた。同社の買収を完了したソフトバンク<9984.T>も、ネットワークをできる限り迅速に改善することがスプリントの最優先課題だとしている。
最新の料金体系では、スプリントのスマートフォン(多機能携帯電話)利用者の料金は、ベライゾン・ワイヤレスの顧客よりも年間240ドル、AT&TやTモバイルUSの顧客よりも年間120ドル少なくなる。

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