来週の日本株は下値固め、米緩和策の縮小懸念が後退すれば反騰相場も

来週の日本株は下値固め、米緩和策の縮小懸念が後退すれば反騰相場も
6月14日、来週の東京株式市場は、下値固めの展開となりそうだ。都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 14日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、下値固めの展開となりそうだ。日経平均は為替との連動性を高めており、先物主導で振れやすい状態が続くものの、極端に上昇したボラティリティは徐々に落ち着きそうだ。
18―19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米量的緩和策の縮小懸念が後退すれば反騰色を強める可能性もある。
日経平均の予想レンジは1万2200円─1万3200円。
5月23日の米量的緩和策の縮小懸念に端を発したショック安以降、日本株の不安定な値動きが続いている。株式と為替が連鎖して乱高下し、日経平均ボラティリティ指数<.JNIV>も41台と投資家の不安心理が根強いことを示している。14日に先物・オプションSQ(特別清算指数)算出を無難に通過し、市場が意識していた目先の需給懸念はクリアしたが、「ピーク時に7兆円を超えた仮需(裁定買い残と信用買い残の合計)の減少は進んでいない。いずれも金利変動に最も弱い商品であり、月内は需給整理に手間取りそうだ」(みずほ証券投資情報部長の稲泉雄朗氏)との見方もある。大きな需給イベントをこなし、極端に上昇したボラティリティは低下するとみられるが、引き続き余震には警戒する必要がある。
最大の注目イベントは18―19日のFOMC。会合の内容とバーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の会見が量的緩和第3弾(QE3)の縮小を示唆するものでなければ、リスク回避が緩み株高・円安が進む可能性が高くなる。米経済指標は5月米小売売上高や新規失業申請件数など一部に改善の兆しもあるが、依然まちまちであり緩和策縮小は時期尚早との見方が多い。ただ、「政策変更のタイミングでは投資家のマインドが振れやすく、指標や要人発言を市場が良い方に判断するか悪い方に判断するか予想しにくい」(証券ジャパン調査情報部長の大谷正之氏)という。FOMC以外では米住宅指標や中国経済指標も株価を刺激する材料になりやすく、内容次第で株価は上下に振れる可能性がある。
17―18日に開催される主要8カ国(G8)サミットで安倍晋三首相は、成長戦略と「骨太の方針」を説明するが、株価への影響は限定的とみられている。今後3カ月の日経平均のレンジについては「4―6月期決算で企業業績の上振れが確認できれば8月にかけて上値を試すことになる。1万2000―1万6000円のレンジが予想される」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)との声が出ている。
主なスケジュールでは、国内で17日に4月第3次産業活動指数(経済産業省)、19日に5月貿易統計(財務省)が発表される。海外では17日に6月NY州製造業業況指数(連銀)、18日に5月米住宅着工件数(商務省)、20日に6月中国製造業PMI速報値(HSBC)、5月米中古住宅販売(全米リアルター協会)などの経済指標が発表される。
(ロイターニュース 株式マーケットチーム)
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