独仏首脳会談で仏大統領が改革実施を明言、欧州委の提言には不快感

独仏首脳会談で仏大統領が改革実施を明言、欧州委の提言には不快感
5月30日、フランスのオランド大統領(右)は、ドイツのメルケル首相(左)との首脳会談で、年金システムと労働市場の改革に取り組む意欲を示した。パリで撮影(2013年 ロイター/Charles Platiau)
[パリ/ベルリン 30日 ロイター] - フランスのオランド大統領は、ドイツのメルケル首相との首脳会談で、年金システムと労働市場の改革に取り組む意欲を示した。ただ同時に、実施の方法は欧州委員会ではなくフランス政府が決めることと主張した。
共同会見で、欧州連合(EU)幹部は加盟国の改革を「指図する」ことはできないとの自身の発言を擁護した。
会談で両首脳は、ユーロ圏のフルタイムの大統領職の設置や、経済政策を調整するために首脳会議の開催を増やすことなどで合意。若者の失業対策のEU基金を早期に活用することでも一致した。
オランド大統領は、フランスは2017年までの財政均衡目標とユーロ圏による新たな目標の実現を目指す方針を強調。その一方で、欧州委員会による細かな提言に不快感をにじませた。
「具体的な内容や手順は政府と国家の責任だ。そうでなければ国家主権が存在しなくなってしまう。欧州委員会は提言を行っても、加盟国に代わってやるべきことを指示するものではない」と述べた。
メルケル首相はこれに直接コメントしなかったものの、フランスが改革実施のため赤字削減目標達成に2年の猶予を与えられたことに言及した。
その上で、これらは連動して行われるものとの見解を示し、スペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドではすでに大胆な構造改革が実施されたと指摘した。
欧州委員会は29日、EU加盟国の経済に監査する報告書を発表。フランスに対しては、財政赤字削減目標の達成期限を2年延長する一方、支出抑制や年金制度改革、労働コスト削減を促した。

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