世界GDPの13年伸び率を下方修正、日本の見通しは引き上げ=OECD

世界GDPの13年伸び率を下方修正、日本の見通しは引き上げ=OECD
5月29日、経済協力開発機構(OECD)は、2013年の世界GDP伸び率見通しについて、3.1%とし、昨年11月見通しの3.4%から引き下げた。写真は2008年、北海道で撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)
[パリ 29日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は29日、2013年の世界GDP伸び率見通しを3.1%とし、昨年11月見通しの3.4%から引き下げた。
米GDP(国内総生産)伸び率見通しについても1.9%とし、11月見通しの2.0%から引き下げたほか、ユーロ圏GDP(域内総生産)伸び率見通しをマイナス0.6%とし、11月見通しのマイナス0.1%から引き下げた。
一方、2013年の日本のGDP伸び率見通しについては1.6%と、11月見通しの0.7%から引き上げた。
また、中国GDP伸び率見通しは7.8%と、11月見通しの8.5%から引き下げた。
OECDは半期に1度の経済見通しの中で、2014年の世界GDP伸び率について、4%に加速すると予想。ただ、昨年11月の見通し4.2%からは下方修正した。
米国については、2014年は2.8%に加速すると予想。実現すれば2005年以来の高水準となる。
一方、ユーロ圏は今年、2年連続でマイナス成長となる見通し。OECDの見通しによると、14年には1.1%のプラス成長に回復する。
ユーロ圏内17カ国の状況はまだら模様となりそうだ。
ドイツのGDP伸び率は今年に0.4%、来年は1.9%に加速する。
一方、フランスのGDP伸び率は今年がマイナス0.3%となる見通しで、昨年11月見通しの0.3%から引き下げられた。
OECDのチーフエコノミスト、パドアン氏はロイターに対し、ユーロ圏債務危機の後退で改革への意欲がしぼむ可能性を警告。「(欧州については)自己満足が生まれる可能性を懸念している」とした上で、「それは欧州の新たなリスクとなるだろう」と述べ、ユーロ圏は依然として金融セクターの問題に取り組む必要があるとの考えを示した。
<日銀の積極緩和を評価>
日本の今年のGDP伸び率見通しを引き上げたことについて、OECDは日銀の積極的な金融緩和が背景にあると説明した。
OECDは、日銀の政策を評価する一方、景気押し上げのために一段の行動を取ることが可能だと指摘した。
依然として大半の国で景気が回復傾向にある中、OECDは、各中央銀行は緩和的な金融政策を維持すべきと指摘した。
また、OECDは英国について、2013年と14年の財政再建ペースの改善に触れつつ、国際通貨基金(IMF)が先週指摘したように、政府の新たな住宅セクター支援プログラムが住宅価格を押し上げることにつながりかねないとして懸念を表明した。
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