日経平均は一時1万4400円台を回復、世界的なリスクオン継続

日経平均は一時1万4400円台を回復、世界的なリスクオン継続
5月8日、東京株式市場で日経平均は続伸し、TOPIXとともに年初来高値を更新。写真は都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 8日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は続伸。TOPIXとともに年初来高値を更新した。世界的にリスクオンムードが強まり、先物主導で上げ幅を拡大。2008年6月以来4年11カ月ぶりに1万4400円を回復する場面があった。
その後は短期的な上昇スピードの速さが警戒され、利益確定売りなどに伸び悩んだ。
世界的な金融緩和が続くなか、日米欧ともにリスク性資産に資金が流入している。米国株式市場ではダウ工業株30種が終値で初めて1万5000ドルの大台に乗せるなど外部環境は安定。TOPIXは2008年9月以来4年8カ月ぶりに1200ポイントを一時回復した。
日経平均は前日に今年最大の上げ幅となっただけに、朝方は小幅高でスタートしたものの、先物主導で上昇幅を拡大。4月の中国貿易統計が事前予想を上回り、外需・内需の回復傾向が確認されたことから、中国の上海総合指数<.SSEC>など堅調なアジア株式も追い風となった。ファナック<6954.T>やコマツ<6301.T>、日立建機<6305.T>など中国関連株が買われた。トヨタ自動車<7203.T>やソニー<6758.T>も年初来高値を付けた。
市場では「リスクオンの流れを受けてセンチメントが改善する中で、これまで出遅れていたセクターにも資金が向かっている」(SMBC日興証券・株式調査部の圷正嗣氏)との声が聞かれた。ガラス・土石製品、精密、建設、商社、電機などがしっかりで、個人による中低位株物色も活発だった。一方で、不動産セクターは利益確定売りに押された。
個別銘柄では、ソフトバンク<9984.T>が年初来高値を連日更新。野村証券が7日付リポートで、夏モデル端末と新サービスについて、幅広い顧客層をターゲットとした堅実な品ぞろえとの分析を示したことが材料視されたという。東京海上ホールディングス<8766.T>が大幅続伸し、7日に発表した2013年3月期業績予想の上方修正を好感した。一方で2013年3月期の業績下振れ観測報道を嫌気し、東芝<6502.T>は反落した。
東証1部騰落数は、値上がり877銘柄に対し、値下がりが722銘柄、変わらずが114銘柄だった。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab