ANAが現金での賠償請求を検討、787型機運航停止で=関係筋

ANAが現金での賠償請求を検討、787型機運航停止で=関係筋
3月20日、米ボーイングの787型機が運航停止に追い込まれている問題で、賠償請求を検討している全日本空輸が、現金での支払いを求める考えであることが明らかになった。1月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 20日 ロイター] 米ボーイングの787型機が運航停止に追い込まれている問題で、賠償請求を検討している全日本空輸(ANA)<9202.T>が、今後購入する機体の価格を割り引く形ではなく、現金での支払いを求める考えであることが20日、関係筋の話で明らかになった。
機体価格の割引ならボーイングの負担は数年に渡って分散されるが、現金だと一時期に集中する可能性がある。
バッテリーに問題が相次いだ787型機は、1月中旬から全世界で運航を停止。17機を保有するANAの欠航便は、運航を停止した1月16日から5月末までで3601便に及ぶ見込みだ。ANAはこれまでの影響額を明らかにしてないが、1月は2週間で14億円の減収につながったという。
関係者によると、ANAはボーイングに対し、損害賠償を現金で請求することを検討。ただ、両社の賠償交渉はまだ始まっておらず、最終的にどのような形で賠償を求めることになるかは流動的だという。
ANAの広報担当者はロイターの取材に対し、ボーイングとの今後の交渉については何も決まっていないとした。ボーイングの広報担当者も、運航を再開させることが最優先であり、賠償についてはコメントできないとした。
787型機は現在、改良したバッテリーシステムを搭載した飛行試験の準備を進めている。ボーイングは今月15日、審査が順調に進めば数週間程度で運航を再開できるとの見解を示したが、18日にロイターの取材に応じたANAの篠辺修・次期社長は、ボーイングのシナリオはすべての手続きが最短で進んだ場合と述べた。
787型機はANAのほか、日本航空<9201.T>が7機、米ユナイテッド航空とインドのエア・インディアがそれぞれ6機など、世界の航空会社が50機保有している。
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