日経平均5日続伸、米株高や日銀緩和期待で1万1900円回復

日経平均5日続伸、米株高や日銀緩和期待で1万1900円回復
3月6日、東京株式市場で日経平均は5日続伸。2008年9月25日以来、約4年半ぶりに終値で1万1900円を上回った。写真は東京証券取引所で昨年12月撮影(2013年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 6日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は5日続伸。2008年9月25日以来、約4年半ぶりに終値で1万1900円を上回った。日銀緩和への期待感から内需株が買われたほか、米国株高など良好な外部環境を背景に輸出関連株も堅調だった。
週末のメジャーSQ(特別清算指数)算出を前に、先物などに仕掛け的な買いも入った。TOPIX<.TOPX>も昨年来高値を更新した。
米経済への楽観的な見方が広がり、米ダウ<.DJI>が最高値を更新するなど、外部環境は一段と改善。為替市場でも1ドル93円台前半と、比較的円安水準で推移しており、トヨタ自動車<7203.T>やホンダ<7267.T>、東京エレクトロン<8035.T>など主力輸出株がしっかりと推移した。アベノミクスに伴う大胆な金融緩和期待で保険や小売、倉庫・運輸など内需株も堅調。セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>や三井不動産<8801.T>、三菱倉庫<9301.T>などが買われた。
連日、日経平均を大幅に押し上げたのが、指数寄与度の高いファーストリテイリング<9983.T>。きょうは前日比2170円高の2万8940円となり、日経平均を約86円押し上げた。週末にメジャーSQ算出を控えており、権利行使価格の1万1750円ないし1万2000円付近をにらんだ仕掛け的な動きが先物などでみられたという。
市場では「内需株を中心に強い動きとなった。先物が買われるとファーストリテイリングを買わざるを得なくなり、同株が上がると日経平均自体を引き上げやすい面があり、仕掛け的な動きが出ていた」(松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)との指摘があった。
個別株では、シャープ<6753.T>が商いを伴って反発。同社が韓国サムスン電子<005930.KS>と資本提携し、100億円前後の出資を受け入れるとの報道を背景に、個人投資家の物色も向かい、東証1部の出来高と売買代金のトップとなった。2013年4月期第3・四半期の好業績が評価された東建コーポレーション<1766.T>は昨年来高値を更新。円安の恩恵や受注回復期待を背景に、野村証券が5日付リポートで目標株価を引き上げた東京精密<7729.T>も昨年来高値を更新した。
一方で、日本製紙グループ本社<3893.T>が東証1部の値下がり率トップ。同社による値上げのニュースを受け、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が5日付リポートでパルプ・紙セクターの投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げたことが材料視された。
東証1部騰落数は、値上がり1294銘柄に対し、値下がりが304銘柄、変わらずが102銘柄だった。

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