2月の中国貿易収支、輸入急増で10年ぶりの大幅赤字

2月中国貿易収支は過去10年で最大の赤字、輸入急増で
3月10日、中国税関当局が発表した2月の貿易統計によると、輸入が急増したことを受けて、貿易収支は過去10年ほどで最大となる315億ドルの赤字となった。写真は中国の国旗。北京で5日撮影(2012年 ロイター/David Gray)
[北京 10日 ロイター] 中国税関当局が10日発表した2月の貿易統計によると、輸入の急増を受け、少なくとも過去10年で最大となる315億ドルの貿易赤字を計上した。
輸入が前年比39.6%増加し、エコノミスト予想(27%.0増)を大幅に上回る伸びを記録。一方、輸出は18.4%増と、伸び率は予想(32.0%増)の半分程度にとどまった。
ただ、アナリストらは、1月と2月は旧正月の影響で貿易統計に歪みが生じた可能性があるとして、慎重な見方をとっている。
野村(香港)中国担当チーフエコノミスト、Zhang Zhiwei氏は「非常にどっちつかずの内容だ」とした上で、「旧正月の休暇が今年は1月に当たり、昨年は2月だったという季節要因から、前年比の比較には歪みが生じている」と指摘する。
同氏によると、労働日数を調整し、2008/09年の金融危機による影響を除外して計算すれば、輸出は前月比で1990年代半ば以来、最も低い部類の伸びにとどまったもよう。
同氏は「輸出目的で輸入した部品など、1月に低調だった輸入が2月にやや回復したことなどは明るい材料だ。3月と4月の輸出はやや上向くだろう」との見方を示した。
2月の貿易収支に関する市場のコンセンサス予想は49億ドルの赤字。
市場の予想は大きく分かれており、予想レンジは、輸出が前年比5.1%―65%増。輸入は13.5%減―48%増と広い範囲に渡っており、エコノミストにとっても2月のデータは読みにくかったことを示している。
HSBCは、赤字幅が280億ドルに達する可能性があると警告していた。
アナリストらは、1月と2月については旧正月要因による歪みがあるため、単月のデータではなく両月を合わせてトレンドを見るべきと指摘している。
1月は輸出が前年比0.5%減と、2009年11月以来の低水準にとどまる一方、輸入は15.3%落ち込み、旧正月に伴う生産停止の影響を考慮しても、中国国内の需要が予想以上に落ち込んでいるとの懸念が広がっていた。
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