中国株は当局の措置でひとまず反発、急落傾向への不安消えず

中国株は当局の措置でひとまず反発、急落傾向への不安消えず
 7月9日、中国株式市場は前引け時点で反発した。上場企業の株式を大量に保有している株主に売りを禁じた証券監視当局の措置がひとまず効を奏した形だが、これまでの急落傾向に歯止めがかかったとは言えない。写真は香港で中国株指数を示すボードの横を歩く女性(2015年 ロイター/Bobby Yip)
[北京/上海 9日 ロイター] - 9日の中国株式市場は前引け時点で反発した。上場企業の株式を大量に保有している株主に売りを禁じた証券監視当局の措置がひとまず効を奏した形だが、これまでの急落傾向に歯止めがかかったとは言えない。
当局による株価下支え措置の発表はこの日も相次いだ。銀行業監督管理委員会は資本市場の安定に向けた一連の措置を公表。金融機関に対し、株式担保融資の返済条件の協議を認めることなどが含まれる。
また、新華社は中国警察当局が国内株式市場で悪質な空売りが行われていないか捜査すると報じた。捜査は違法行為を撃退するための措置とされているが、捜査対象者などは明らかになっていない。
国民の一部からは中国証券監督管理委員会(CSRC)の肖鋼委員長の辞任を求める声が上がっているが、ロイターがネット検索したところによると、ネット上のそうした意見は当局が検閲しているもよう。
上海と深センの大型株で構成されるCSI300指数<.CSI300>は前場の終了時点で2.4%高。上海総合指数<.SSEC>は1.3%高。両指数ともに8日は約6─7%安で取引を終えた。
中国株式市場では6月中旬以降で時価総額の3割強が失われた。グローバル投資家の一部では、中国株安が金融システムを不安定化させるとの懸念が出ており、ギリシャ危機よりもリスクが大きいと見る向きもある。
米国のルー財務長官は8日、ワシントンでのイベントで「株安が中国の長期的な成長にどのような影響を及ぼすのかが懸念だ」と述べた。
中国証券監督管理委員会(証監会)は8日遅く、持ち株が5%以上の株主を対象に向こう6カ月間、株式売却を禁止する措置を発表。これより前には、個人投資家の存在感が大きい中国株式市場について「恐慌センチメント」に捉われていると警告していた。
また、これに呼応する形で、中国工商銀行(ICBC)<1398.HK><601398.SS>など中国大手行の主要株主や中国石油化工(シノペック)<600028.SS><0386.HK>といった各企業は、持ち株の維持や一段の買い増しを約束した。
さらに、証監会は9日、信用取引を手掛ける中国証券金融が投資信託を購入し、投資信託会社に「潤沢な流動性」を供給すると表明した。
*写真を更新しました。

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