税収弾性値、最大1.3に引き上げ=骨太方針で政府・与党筋

税収弾性値、最大1.3に引き上げ=骨太方針で政府・与党筋
 6月1日、政府は6月末の骨太方針で、経済成長をにらみ「税収弾性値」の引き上げに踏み切る方針だ。2013年2月撮影(2015年 ロイター/Shohei Miyano)
[東京 1日 ロイター] - 政府は、6月末の骨太方針で、経済成長をにらみ「税収弾性値」の引き上げに踏み切る方針だ。将来の税収増を財政再建につなげる狙いがあるとみられる。経済財政諮問会議(議長:安倍晋三首相)での提言を参考に、1.2から1.3とする方向だ。伊藤元重・東大教授ら諮問会議の民間議員が1日、財政健全化に向けた新たな枠組みを示す。
その中で、財政再建を果たすには、経済成長の確保が前提との姿勢を前面に打ち出す。「四半世紀ぶりの経済再生を持続することが最重要」と指摘し、1980年代の安定成長期の税収弾性値を参考に、1.2から1.3程度を定着させることは「十分、可能」とする。複数の政府、与党幹部が明らかにした。
甘利明経済財政担当相は5月15日、都内で記者団に対し、弾性値について「健全な経済成長下では、現在の1.0より高い数字になる」と述べた。名目成長率が1%上昇すれば最大1.3%の増収となる見通しのもとで財政運営を行い、基礎的財政収支の赤字解消をめざす。政府は、経済成長と歳入・歳出改革を柱とする財政健全化計画の策定を急いでいる。ただ、新たな枠組みは名目3%超の経済成長でも残るとされる20年度の赤字9.4兆円に触れず、具体的な歳出改革も示していない。
歳入改革に加え、6月末の閣議決定に向け、どこまで具体的な歳出抑制策を打ち出せるかが今後の焦点となる。

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