サムスン、ブラックベリーに最大75億ドルで買収打診=関係筋

サムスン、ブラックベリーに最大75億ドルで買収打診=関係筋
1月14日、韓国のサムスン電子がカナダのスマートフォンメーカー、ブラックベリーに買収を打診していたことが、ロイターが入手した文書や関係筋の話で明らかになった。写真は2014年12月、ニューヨークで(2015年 ロイター/Brendan McDermid)
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 韓国のサムスン電子<005930.KS>がカナダのスマートフォンメーカー、ブラックベリーに対し買収を打診していたことが、ロイターが入手した文書や関係筋の話で明らかになった。
買収提案額は最大で75億ドル。ブラックベリーが持つ一連の特許が魅力となっているとみられる。
関係筋によると、両社の担当者は先週、買収の可能性を協議するために会合を開いた。サムスンは1株当たり13.35─15.49ドルでの買収を打診。ブラックベリーの現時点の株価に38─60%のプレミアムを乗せた水準となる。
内々の交渉だとして、この関係筋は匿名を希望した。
ブラックベリーは、いかなる買収の可能性についてもサムスンと協議したことはないとのコメントを公表した。
またサムスンも、ブラックベリー買収の計画はないと否定。広報担当者は「報道は根拠がない」と述べた。
これとは別にカナダのグローブ・アンド・メール紙は14日、ブラックベリーが過去数カ月複数の買収提案を見送っていたと報じた。取締役会と主要株主が、自社のリストラ戦略の方が投資家価値を高められると判断したという。
同紙によると、買収提案の中には70億ドル超の価格提示もあった。同社の取締役会は、これは今後数年で予想される同社の資産価値を大幅に下回ると考えている。
ロイターの報道を受け米市場上場のブラックベリー株は商いを伴って急騰。この日の取引を前日終値比29.71%高の12.595ドル近辺で終えた。
関係筋によると、買収が成立すればサムスンはブラックベリーの特許にアクセスできるようになり、ライバルのアップルに対抗する上でプラスになる。
サムスンによる買収について、ブラックベリーの主要株主であるフェアファックス・フィナンシャル・ホールディングス率いるプレム・ワトサ氏は賛成するとみられる。
ブラックベリーの第3・四半期(9─11月)決算は、売上高が7億9300万ドルと、前年同期の11億9000万ドルから減少し、アナリスト予想の9億3150万ドルも下回った。
ブラックベリーは昨年11月、サムスンとのセキュリティーパートナーシップを発表。ブラックベリーのセキュリティープラットホームと、サムスンのギャラクシー端末向けの独自セキュリティーソフトウエアを結びつけるものとなる。
*内容を追加しました。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab