スコットランド住民投票がIPOにも影響、延期の動き広がる

スコットランド住民投票がIPOにも影響、延期の動き広がる
 9月10日、スコットランド独立の是非を問う住民投票が新規株式公開(IPO)の動向にも影響を及ぼし始めている。ロンドンで撮影(2014年 ロイター/Suzanne Plunkett)
[ロンドン 10日 ロイター] - スコットランド独立の是非を問う住民投票が新規株式公開(IPO)の動向にも影響を及ぼし始めている。投票が行われる18日前後は市場が荒れる可能性があるとして、銀行はロンドン市場への上場を検討している企業に対しこの間は避けるよう勧めている。
オンドラ・パートナーズのパートナー、アダム・ギシェン氏は「これからの8日間については(顧客の間で)様子見姿勢が強い。神経質になっている。IPOのためのロードショーを延期するケースが見られる」と語った。
IPOや株式売り出しは市場の状況に大きく左右される。ある金融機関関係者は顧客に対し、住民投票によって株や為替市場が大きく動く可能性があるとして、18日や19日のIPOを避けるよう助言していると話した。
今年の夏以降、IPO計画を公表した英企業はないが、小売大手DFS、ブリティッシュ・カー・オークションズ[BCRAU.UL]、金融サービスのアルダーモア[IPO-ALDE.L]やバージン・マネー[IPO-VMH.L]が年内に上場するとみられている。
銀行関係者によると、IPOを計画している企業は住民投票について、これまでのところ特に懸念を示していない。ただアルダーモアやバージン・マネーなどスコットランドで住宅ローンなどの融資業務を行っている企業は、事業見通しへの不透明感から企業価値が低下する恐れがあるという。両社はコメントを拒否した。
また英政府による次回の金融大手ロイズ・バンキング・グループ株売却も住民投票の影響を受ける可能性がある。ある銀行筋は独立反対が賛成を上回れば株式売却は9月に行われるが、賛成が多数になれば延期になるとの見方を示した。
政府はロイズの株式25%を保有している。政府保有の銀行株を管理する英金融投資会社(UKFI)とロイズはコメントを控えた。

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