未承認のエボラ治療薬、使用は倫理的=WHO委員会

WHO専門家委員会、未承認のエボラ治療薬使用を容認
 8月12日、WHO専門家委員会は、西アフリカで感染が拡大するエボラ出血熱をめぐり、開発段階の治療薬やワクチンを使用することの是非について議論した結果、使用は倫理的との認識で一致した。ナイジェリアの空港で11日撮影(2014年 ロイター/Afolabi Sotunde)
[ロンドン/ジュネーブ 12日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)専門家委員会は12日、西アフリカで感染が拡大するエボラ出血熱をめぐり、開発段階の治療薬やワクチンを使用することの是非について議論した結果、使用は倫理的との認識で一致した。
ただ、治療薬の供給量は限られるとした。
委員会は、開発段階の治療薬投与に際し「説明と同意(インフォームドコンセント)や選択の自由、機密性、(投与を受ける)人の尊重、尊厳の保護、地域社会の関与」が必要とした。
さらに、可能な限り最善の条件のもと、適切に臨床治験を行うべきと指摘した。
委員会は「エボラ出血熱の流行は、早期発見や患者の隔離、感染者との接触制限など、既存の措置によって抑え込むことが可能」と指摘。
その上で「しかし、ウイルスに立ち向かう際、特効のある治療薬もしくはワクチンが強力な資産となるだろう」との見方を示した。
委員会は、人に投与して行う初期段階の治験が、今後2━4カ月中に行われるとの見通しを示した。そのうえで、治験が成功した場合でも、供給量が限られると注意を促した。
開発中のエボラ熱治療薬をめぐっては、マップ・バイオファーマシューティカルが開発しているエボラ出血熱の治験薬「ジーマップ」が、リベリアでエボラ熱に感染した米国人2人に投与された例がある。
臨床治験の段階通過には通常、数年間かかるとされる。ただ、初期の治験が順調なら、緊急手段が講じられ、2015年に入手可能となる可能性を示す声も一部当局者から出ている。
*内容を追加して再送します。

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