サイバーエージェントがAmeba事業で構造改革、1600人を半減

[東京 24日 ロイター] - サイバーエージェント<4751.T>は24日、インターネットのコミュニティーサービス「Ameba(アメーバ)」事業で構造改革を実施すると発表した。関連社員1600人のうち半数の800人を成長分野へ振り向ける。有期雇用600人のうち200人の自然減も想定している。
会見した藤田晋社長は「今のアメーバは、売り上げもメディア規模も急激な拡大前提の組織規模になっているので、一度適正サイズに戻してリスタートする」と説明。「決してジリ貧になっているわけではないが、早めに思い切った構造改革に着手することが得策と考えた」と語った。
アメーバ事業の2014年4─6月期(第3・四半期)の営業損益は前年同期の26億円の赤字からは大幅に改善したものの、2億円の黒字にとどまった。
これが4─6月期全体の業績の足を引っ張り、「下限でも50億円くらいを見込んでいた」(藤田社長)営業利益は40億円と伸び悩んだ。
藤田社長は「(予想を)大きく下回った原因で一番大きいのはアメーバで、4─6月期は2億しか利益が出ていない。当初は15億円見込んでいたが、思った通りにゲームが伸びなかったのが大きい」と説明した。
800人は新たに立ち上げるゲーム・コミュニティ以外のフルネイティブアプリ事業を手掛ける「CP事業本部」や、既存コミュニティサービス運営などを手掛ける「コミュニティ事業本部」などに異動する。異動は8月1日付。
さらに有期雇用の自然減も想定している。アメーバ事業の社員1600人のうち、正社員は1000人、有期雇用は600人。有期雇用の約3分の1は契約を終了すると見込んでおり、「仮に200人だとすると、その分が自然減となる」(同)という。
同社はこれまでフルネイティブのアプリではなく、ブラウザのプラットフォーム戦略を推し進めてきた。ただ、「これは安定した収益が得られるものの、今のスマホの事業環境をみると、急激に拡大させるのは難しいと判断した」(同)という。
アメーバ事業の2014年9月期の業績予想は売上高400億円、営業利益25億円。来期は売上高400億円、営業利益100億円を見込んでおり、構造改革を実施することで、同じ売り上げ水準でも利益を出せる体制を整える。
同社の2014年4─6月期の売上高は前年比34.8%増の512億円、営業利益は同2.5倍の40億円だった。7─9月期は回復を見込んでおり、藤田社長は「(営業利益は)1─3月並み、もしくは過去最高益が狙える」と説明。「今期予想の200億円は達成可能な状況にある」との見通しを示した。
*見出しを修正して再送しました。

志田義寧

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab