エボラ熱対策の「英雄」も発症、感染拡大のシエラレオネで

エボラ熱対策の「英雄」も発症、感染拡大のシエラレオネで
 7月23日、西アフリカのシエラレオネで、感染が拡大するエボラ出血熱対策を率いるシェイク・ウマル・カーン医師(写真)が病気に感染したことが分かった。写真は6月、フリータウンで撮影(2014年 ロイター)
[フリータウン 23日 ロイター] - 西アフリカのシエラレオネで、感染が拡大するエボラ出血熱対策を率いる医師が病気に感染したことが分かった。エボラ熱対策をめぐっては、医療関係者の感染も増えている。
ギニア、リベリア、シエラレオネではエボラ熱が流行した2月以降、死者が632人に上っている。リベリアでは23日、家族を亡くした男性が、政府の対策への不満から保健省の建物に放火する事件も起きた。
シエラレオネの大統領府の声明によると、同国でエボラ熱治療に当たっていたウイルス学者、シェイク・ウマル・カーン医師(39)が、治療施設に送られたという。施設の関係筋は、カーン氏が現在治療を受けているとしたが、詳細は明かさなかった。
カーン氏は、同国でこれまで206人の死者を出したエボラ熱対策を主導してきたことから、当局から「国民的ヒーロー」と称えられている。
カーン氏が感染した経路は明らかになっていないが、同僚によると、予防には常に注意を払っており、防護服やマスク、手袋などを着用していたという。
世界保健機関(WHO)のスポークスマンによると、ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国では約100人の医療関係者がエボラ熱に感染し、うち50人が死亡している。

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