第1四半期米GDPはマイナス2.9%に下方修正、5年ぶりの大幅減

第1四半期米GDPはマイナス2.9%に下方修正、5年ぶりの大幅減
 6月25日、第1・四半期の米GDP確報値は2.9%減少し、下方修正された。写真はサンフランシスコの商業施設で2012年1月撮影(2014年 ロイター/Robert Galbraith)
[ワシントン 25日 ロイター] - 米商務省が25日に発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比年率で2.9%減少し、改定値の1.0%減から下方修正された。2009年第1・四半期以来5年ぶりの大幅な落ち込みとなった。
市場予想は、1.7%減を見込んでいた。ただ、経済がその後、堅調に盛り返した兆候もみられる。
三菱東京UFJ銀行(ニューヨーク)の首席金融エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「統計は懸念を招く内容だが、雇用は過去4カ月で毎月20万人のペースで増加しており、全く根拠なく先行きを楽観しているわけではない」と述べた。
これまで、異例の寒波が景気低迷の主因とされてきた。速報値、改定値の集計段階で完全な情報が集まらず、大幅修正は珍しくない。
ただ、今回の修正の大きさから、天候以外にも低迷の要因があることを示した。
速報値の0.1%増からは計3.0%ポイントの下方修正となり、改定値と確報値の差は1976年以降の記録で最大だった。
医療支出のペースが従来推計値よりも鈍く、消費支出が下方修正された。貿易の下押し効果も従来推計以上だった。
市場は、第2・四半期が最大3.6%増と堅調な伸びになると見込んでいるものの、実際の数字が予想に届かない可能性もある。
エコノミストらは、寒波が第1・四半期GDPの伸びを最大で1.5%ポイント押し下げた可能性があると指摘する。商務省は、天候の影響について詳細を明らかにしていない。
消費支出が1.0%増で、2009年第4・四半期以来の低水準となった。改定値は3.1%増だった。
輸出は8.9%減で、改定値の6.0%減から落ち込みが拡大した。この結果、貿易赤字がGDP成長率を1.53%ポイント押し下げた。
企業の在庫変動は459億ドル増と、改定値の490億ドル増を下回った。
国内最終需要は0.3%増。改定値は1.6%増だった。
第1・四半期GDPの大幅な落ち込みについて、米大統領経済諮問委員会(CEA)のファーマン委員長は声明で「深刻なリセッション(景気後退)からの回復は途上にある」と指摘。オバマ大統領は、成長押し上げや雇用創出の加速に向け、できる限りの支援策を講じていくと語った。
*内容を追加して再送します。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab