グーグルは「忘れられる権利」を尊重すべき=EU司法裁判所

グーグルは「忘れられる権利」を尊重すべき=EU司法裁判所
 5月13日、EU司法裁判所は、インターネットで自分の名前を検索すると結果に過去に報道された記事が表示されるのは不当だとする男性の訴えを認め、不適切あるいは過度の個人情報を削除するようグーグルに命じた。写真は同社のロゴ。昨年9月、トロントで撮影(2014年 ロイター/Chris Helgren)
[ブリュッセル 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)司法裁判所は13日、インターネットで自分の名前を検索すると結果に過去に報道された記事が表示されるのは不当だとするスペイン人男性の訴えを認め、米インターネット検索大手グーグルに対して、不適切あるいは過度の個人情報を削除するよう命じた。
この男性は、自分の名前をグーグルで検索すると1998年の自宅の担保差し押さえの新聞記事へのリンクが表示されたことに不満を抱いた。
今回の裁判で浮き彫りになったのは、サイバースペースにおける言論の自由の擁護者と、人々はインターネットから過去の情報を削除できる「忘れられる権利」を持つべきだとするプライバシーの権利支持者が繰り広げる戦いの姿だ。
この判決でグーグルやフェイスブックなどのインターネット企業は、技術的な困難だけでなくコスト増にも直面する可能性がある。
EU司法裁判所の判事らはグーグルに対して、検索の目的に関連して、また経過時間を考慮して「妥当性がなく、不適切あるいはもはや適切でない、ないしは過剰」なデータの削除を求めることは可能だと判断した。その上で、プライバシーが侵害された人々の権利が一般市民の関心を上回ったと述べた。
グーグルは、昨年EU司法裁判所のアドバイザーから得た、検索結果から慎重に扱うべき情報を削除することは表現の自由を妨げるとの意見と今回の判決は矛盾しており、失望したと述べた。

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