ユーロ圏ではビッグマックも「緊縮」傾向、例外はイタリア

ユーロ圏ではビッグマックも「緊縮」傾向、例外はイタリア
2月6日、厳しい局面にある欧州経済の状況を知るには雇用統計や鉱工業生産などがあるが、どの国が緊縮策に真面目に取り組んでいるかを知るには、ハンバーガーの価格が有効かもしれない。写真は1月、ローマのマクドナルド店舗(2013年 ロイター/Giampiero Sposito)
[ブリュッセル 6日 ロイター] 厳しい局面にある欧州経済の状況を知るには雇用統計や鉱工業生産などがあるが、どの国が緊縮策に真面目に取り組んでいるかを知るには、ハンバーガーの価格が有効かもしれない。
ブリュッセルに本拠を置くシンクタンク、ブリューゲルのエコノミストであるグントラム・ウルフ氏は、ユーロ圏各国を対象に、2011年7月─2013年1月に米マクドナルドの「ビッグマック」の販売価格がどう推移したかを調査。その結果、アイルランドなど債務危機で経済が悪化している国では、ビッグマックの価格も「緊縮」傾向にあることが分かったという。
同氏によれば、ギリシャやポルトガル、スペインでのビッグマックの価格上昇率は、ユーロ圏平均を下回る水準だった。アイルランドでは、3.80ユーロから3.50ユーロ以下に値下がりさえしていた。これらの国はいずれも、債務危機の影響で抜本的な経済改革を強いられている。
対照的に、ドイツでのビッグマックの価格は、ユーロ圏平均を上回って上昇したという。
ただ、目を引く例外が1つだけある。重債務国であるはずのイタリアでは、ビッグマックの価格は3.85ユーロと、ドイツの3.64ユーロを上回り、ユーロ圏で最も高くなっている。
「イタリアは高インフレに対処する正しい政策を採用すべきだ」とウルフ氏は語っている。

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