NYで売られる魚介類、約4割が名前を誤表示=調査

NYで売られる魚介類、約4割が名前を誤表示=調査
12月11日、ニューヨーク市でシーフードを扱う食料品店やレストランの約6割が、一部の魚介類を間違った名称で売っていることが調査で分かった。ニューヨーク市の鮮魚店で2010年6月撮影(2012年 ロイター/Mike Segar)
[ニューヨーク 11日 ロイター] ニューヨーク市でシーフードを扱う食料品店やレストランの約6割が、一部の魚介類を間違った名称で売っていることが調査で分かった。健康被害を起こしかねない種類が売られているケースもあるという。
調査を行ったのは、海洋保護団体のオーシャナ。同団体が11日発表した報告書によると、調査で入手した魚のうち、約40%が間違った種類で認識されており、高価な魚や希少な魚の代わりに、安価な魚が売られていることもあった。また、法医学的DNA分析手法では、調査対象となった小売店・飲食店81店舗の58%が、誤った名称で魚を売っていたという。
オーシャナの上級研究員キンバリー・ワーナー氏は「ニューヨークのシーフード愛好家がいくつかの種の魚を購入する際、3回に1回以上だまされているというのは受け入れられないことだ」と語った。
消費者が知らず知らずのうち、健康上のリスクを起こしかねない魚を購入していることもあるという。米食品医薬品局(FDA)は、アマダイは高濃度の水銀を含んでいるとし、妊娠している女性や授乳期間中の母親、小児は摂取を避けるよう警告しているが、アマダイの一種が別の種類として売られていたことも調査で明らかになった。
また、寿司店からビンナガマグロとして集めたサンプル17件のケースでは、1つを除いてすべてが実際にはアブラソコムツだったという。
FDAの広報担当者はロイターの取材に、健康被害を引き起こす原因の多くは特定の種によるものであり、誤った名称で売られているシーフードは公衆衛生上の懸念になり得ると指摘。アレルギー反応などの健康被害が可能性として想定できると述べた。
オーシャナによれば、ニューヨークでの魚介類の誤表示率は、ボストン(48%)やロサンゼルス(55%)に比べると低い。他の都市に比べてニューヨークに顕著な傾向は、小規模な独立系の食料品店の存在で、こうした店舗で売られている魚は4割が名称を間違っていた。一方、同じニューヨーク市内でも、全米展開している大手スーパーでの誤表示率は12%に下がるという。
魚介類の誤表示は、以前から指摘されていた問題でもある。消費者情報誌「コンシューマー・リポート」は20年前に掲載した調査で、ニューヨークとシカゴ、サンノゼで調査したシーフードの約3分の1が誤表示だと指摘していた。
また昨年8月には、ニューヨークの高級食材店「ゼイバーズ」で過去15年にわたってロブスターサラダにザリガニが使われていたことが分かり、メディアで大きく報じられていた。

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