キプロス、支援合意の修正急ぐ 議会採決延期・預金者に動揺広がる

 [ニコシア 17日 ロイター] 関係筋によると、キプロス政府が週末のユーロ圏財務相会合で決まった金融支援策の修正を急いでいる。
 支援策では、銀行預金者に負担を求めるという一連のユーロ圏加盟国支援策としては前例のない措置を決定。100億ユーロ(130億ドル)を支援する代わりに、10万ユーロ超の預金に預金額の9.9%、それ以下の預金に6.7%の課徴金を課す内容となっている。
 支援策が16日に発表されると、キプロス国内には衝撃が走り、現金自動預払機(ATM)から預金を引き出す動きが広がった。ATM内の現金は数時間で枯渇したケースが多く、電子送金は停止された。
 関係筋が匿名を条件にロイターに明らかにしたところによると、キプロス政府は少額預金者の負担軽減を交渉中。
 10万ユーロ以下の預金の課徴金を預金額の3.0%に引き下げ、10万ユーロ超の課徴金を同12.5%に引き上げる案が協議されている。
 支援策の議会採決は18日に延期された。議会では過半数を占める政党がなく、アナスタシアディス大統領は、議会が批准を拒否すれば、国内2大銀行が破綻すると警告している。
 大手行のキプロス・ポピュラー銀行は、3月21日までに欧州中央銀行(ECB)からの緊急流動性支援(ELA)が断たれる恐れがある。
 キプロスでデフォルトが発生すれば、ユーロ圏に対する投資家の信認が揺らぎかねない。
 議会は17日に審議を開始する予定だったが、関係者によると、事前協議のための時間が必要との理由で審議は翌日に延期された。
 18日は銀行休業日で、課徴金は19日に発効する予定。

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