IT専門家、日産車などに「最もハッキングされやすい」と警告

[ニューヨーク/ラスベガス 5日 ロイター] - コンピューターのセキュリティ専門家がリポートで、米クライスラー・グループ、日産自動車 と米ゼネラル・モーターズ(GM) の一部モデルに対し「最もハッキングされやすい車」として脆弱(ぜいじゃく)性を指摘した。クライスラーと日産は、リポートの内容を検討すると表明した。
リポートでは、無線通信技術の「WiFi」や「Bluetooth(ブルートゥース)」などを利用して自動車のシステムを遠隔操作し、物理的な損害を与える攻撃に対する脆弱性を調査。対象とした20車種のうち、クライスラーの「ジープ・チェロキー」2014年モデル、日産の「インフィニティQ50」2014年モデル、GMの「キャデラック・エスカレード」2015年モデルについて、危険性が最も高いとの結論を出した。
半面、最もハッキングに強い車種としてはイタリアのフィアット の「ダッジ・バイパー」、独フォルクスワーゲン(VW) の「アウディA8」、本田技研工業 の「アコード」2014年モデルが選ばれた。
執筆者は、著名なセキュリティ専門家のチャーリー・ミラー氏とクリス・バラセク氏。ミラー氏はツイッターのセキュリティ技術者で、バラセク氏はコンサルティング会社IOアクティブにおいて自動車のセキュリティに関する調査責任者を務める。
両氏は、ラスベガスで行われるハッキングに関する会合「ブラック・ハット」でリポートを公開し、調査で判明した内容について議論する予定だ。
クライスラーの広報担当者、エリック・メイン氏は「指摘された点を確認し、事実であれば改善する」と述べた。
日産はロイターに対する声明で、事実を確認中と説明。リポートの著者らがインフィニティQ50の脆弱性を悪用しようとした形跡は見当たらないと述べた。
GMからのコメントは得られなかった。

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