キリン、ヤッホー社と資本業務提携 クラフトビール事業を推進

[東京 24日 ロイター] - キリンビール(東京都中野区)は24日、星野リゾートの100%子会社であるヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)と資本業務提携すると発表した。ヤッホー社は、クラフトビール市場のリーディングカンパニー。キリンは提携によって、本格的にスタートしたクラフトビール事業を一層推進する。
キリンビールは、星野リゾートが保有する株式の一部を譲り受けるとともに、新株も引き受け、最終的には33.4%の株式を保有する。
今回の提携により、ヤッホー社は、キリンビールに一部製造を委託する。また、原材料の共同調達や物流の活用を進める。一方、キリンは、イベントやネットを通じたファンづくりやマーケティングのノウハウを得たい考え。
ヤッホー社の井手直行社長は、不動産や設備投資のリスクを軽減できるほか、調達・物流が効率化できることで「経営資源を品質改善や新商品開発に注力することができる」と、意義を語った。
キリンはクラフトビール事業に本格的に取り組むため、あらたなクラフトビールブランド「SPRING VALLY BREWERY」を立ち上げている。
同社は、消費者に新たな価値を提供し、ビール市場をもう一度魅力的なものにしたいとして、クラフトビールに取り組んでいる。
また、クラフトビール市場は日本や米国で伸びており、収益性も高い。少子高齢化でビール系(ビール・発泡酒・新ジャンル)市場が縮小する中、新たな成長機会にもつながるとみている。キリンビールの磯崎功典社長は「他のクラフトビールメーカーから話があれば、クラフトビール市場にどう貢献できるかという観点で考えていきたい」と述べた。

清水律子

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