急拡大するアジアのガソリン需要、米国産原油の受け皿に

急拡大するアジアのガソリン需要、米国産原油の受け皿に
 12月25日、米国政府は今月、およそ40年ぶりに原油輸出を解禁した。 中国河南省で2月撮影(2015年 ロイター)
[シンガポール 24日 ロイター] - 米国政府は今月、およそ40年ぶりに原油輸出を解禁した。アナリストらは、解禁しても米国の原油輸出が急増することはない、との見方で概ね一致しているが、アジアではナフサやガソリンなど軽質燃料への需要が急速に拡大しており、米国産軽質原油の受け皿になる可能性がある。
米国がアジアに原油を輸出しようとする際、最も大きな障害になるのが最近の米国産標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の上昇だ。WTIは、国際指標である北海ブレントと互角か、それを上回る価格水準にあるため、競争力の面で問題がある。アジアで指標となっている中東産ドバイ原油よりも割高だ。
しかし一方で、アジア各国の政府は原油の調達先を中東以外に広げようとしており、米国産原油のアジア輸出が始まる余地はありそうだ。
中国やインドでのガソリン消費の拡大を背景に、アジアにおける軽質原油への需要は強く、このトレンドは2016年も続くとみられる。
コンサルタント会社エナジー・アスペクツは2016年市場見通しで「アジアでは自動車販売が増加し、自動車の走行距離も伸びている。ガソリンやナフサの需要は、今後も拡大するだろう」と指摘している。

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