大企業景況感、上昇継続 設備投資は下期挽回へ=景気予測調査

大企業製造業10─12月期景況判断は+3.8、2期連続上昇
 12月10日、財務省と内閣府が発表した10―12月期期法人企業景気予測調査によると、企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)は、大企業製造業でプラス3.8となり、2期連続で上昇した。都内で8日撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)
[東京 10日 ロイター] - 財務省と内閣府が10日発表した10―12月期法人企業景気予測調査によると、企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)は、大企業製造業でプラス3.8%となり、2期連続で上昇した。非製造業も含めて大企業、中堅企業ともに、先行きまで改善が続くが、他方で中小企業では悪化が続く。
設備投資計画は上期の遅れを下期に挽回する計画となっており、全産業の年度計画は上方修正されて前年度比7.5%増となった。
景況感改善の業種をみると、製造業では食料品製造業が販売価格値上げで収益が改善したことや、化学工業で医薬品や日用品、化粧品の販売が堅調だったことがけん引。
非製造業ではインバウンド需要で宿泊業、飲食サービス業で客数増加や客単価が上がったこと、卸売業で百貨店・コンビニ向けの食料品出荷が増加したことなどがある。
他方で海外事業を手掛ける業種では、中国など海外需要の減退で情報通信機械や、電機などの業種で景況感が悪化したほか、海外向けに動き伸び悩みで運輸業なども冴えなかった。
全産業ベースの2015年度の設備投資計画(ソフトウエア投資を含む、土地購入額を除く)は前年比7.5%増となり、前回調査から上方修正された。
ただ、製造業は前回の13.6%増から下方修正されて10.6%増、非製造業は前回の1.9%増から上方修正されて5.6%増と、修正の方向感は分かれた。
法人企業景気予測調査の景況判断BSIは前期に比べて景況感が「上昇」との回答構成比から「下降」との回答構成比を引き算したもの。日銀短観のDIが「良い」「悪い」といった水準を聞いているのに対し、この調査は景況感の変化の方向を聞く。調査対象は資本金1000万円以上の法人企業。
*内容を追加します。

中川泉 編集:吉瀬邦彦

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