訂正:大和ハウスが今期業績予想を上方修正、中計で営業益1700億円目標

[大阪 8日 ロイター] - 大和ハウス工業<1925.T>は8日、2014年3月期の連結営業利益予想を前年比17.2%増の1500億円(従来は1400億円)に上方修正したと発表した。賃貸住宅、商業施設事業などの利益が想定を上回って推移。今期の受注高見通しは直近予想から12%上方修正した。
また同日、16年3月期までの3カ年の中期経営計画を策定したと発表。最終年度の連結営業利益目標を1700億円(12年度実績は1280億円)に設定した。戸建て・賃貸住宅や商業・事業施設など中核事業の収益力強化を目指す。
大阪市内で会見した大野直竹社長は、消費増税の住宅市場への影響について、大都市圏では動向に変化がみられる一方で、他地域では「意外に関係なく推移している」と指摘。その上で「時間が経たないと正直分からない」とし、需要動向などを注視する構えを示した。
今期の新たな通期営業利益予想は、トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト13人の予測平均値1490億円と同水準になっている。
<増収でもフジタが重荷に>
14年3月期の連結売上高予想は前年比27.0%増の2兆5500億円(従来は2兆4000億円)、当期純利益は同32.8%増の880億円(同730億円)に上方修正した。
戸建・賃貸住宅、マンション、商業施設事業では売上高・営業利益予想とも従来の見通しから上方修正。一方、買収したフジタが関わる事業施設部門では売上高予想は増額したものの、営業利益予想は据え置いた。
大野社長は買収したフジタ、コスモスイニシア(訂正)の業績への影響について上期中は両社とも「利益貢献はないどころか、足を引っ張った」と指摘。一方で「下期にはプラスに転じて、貢献はしてくる」と話した。
<不動産投資過去最高に>
中期計画では最終年度の連結売上高目標を2兆8000億円(12年度実績2兆0079億円)、純利益目標を1000億円(同662億円)、ROE目標は10%以上(12年度実績9.5%)とする。連結営業利益は3カ年累計で4800億円を計画する。
さらに3年間で、国内の不動産開発に同社として過去最高の4000億円を投資する計画。賃貸住宅や事業・商業施設といった事業領域の拡大につなげる。
国内の設備投資は3年間で1500億円、海外投資には500億円を計画。M&A(買収・合併)は過去2年間の実績から271億円減額となる500億円を予定する。
<年間配当予想を引上げ>
13年4─9月期の連結売上高は前年同期比29.2%増の1兆2426億円。営業利益は同10.4%増の700億円、当期純利益は同11.5%増の400億円だった。全事業で売上高は前年同期を上回ったものの、買収したフジタなどが利益面で足を引っ張った。
中間配当は直近予想から1円増の20円(前中間期無配)。年間配当予想は5円増の同43円(前期35円)に見直した。
(長田善行 編集:田中志保)
*8日に配信した記事中の社名を「コスモスイニシア」に訂正します。

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