大飯原発再稼働、「最終的には私の責任で判断」=首相

関電大飯の再稼働、自治体の一定理解は得られつつある=首相
5月30日、野田佳彦首相は、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働に関する4大臣会合後、同3・4号機に再稼働について「関係自治体の一定の理解は得られつつある」と述べた。北京で13日撮影(2012年 ロイター/Petar Kujundzic)
[東京 30日 ロイター] 政府は30日夜、関西電力<9503.T>大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に関する4大臣会合を開いた。同会合で野田佳彦首相は「(関西など)関係自治体の一定の理解を得られたと認識している。立地自治体の判断が得られれば、4大臣会合で議論し最終的には私の責任で判断する」と語った。
4大臣会合の直前に、関西広域連合が原発再稼働問題について声明を発表。声明では、野田政権が4月13日に「妥当」と判断した大飯原発3、4号機の再稼働をめぐって「原子力規制庁等の規制機関が発足していない中での暫定的な判断基準であることから、政府の安全判断も暫定的なもの。従って、大飯原発の再稼働については政府の暫定的な安全判断であることを前提に、限定的なものとして適切な判断を強く求める」と要望した。
声明は兵庫県の井戸敏三知事ら7府県知事と大阪市の橋下徹市長ら2市長が連名で出した。4大臣会合における野田首相の「関係自治体の一定の理解を得られた」との発言は、同声明を捉えてのものだ。首相は同会合で原発について「エネルギー安全保障や電気料金値上げによる国民の負担増の抑制など日本の経済社会全体の安定と発展のために引き続き重要」と指摘した上で、「安全が確保された原発は再起動させる必要がある」と強調した。
共同通信によると、鳥取県伯耆町で開いた関西広域連合の会合後、連合長の井戸知事は記者団に「政府が出した判断は重く受け止める。再稼働を期間限定にするかは政府の判断だ」と表明した。一方、大阪市の橋下市長は市役所で記者団に対し「仮に動かしたとしても期間限定は譲れない」と述べた。
野田政権が大飯3、4号の再稼働は妥当と判断した翌日、枝野幸男経済産業相が福井県の西川一誠知事を訪ね、再稼働を了解するよう要請。県は原子力安全専門委員会で検討を重ねてきたが最終結論は出ていない。西川知事は枝野経産相との会談の際、「(大阪市など)電力消費地の(再稼働への)理解について責任をもって対応していただく必要がある」と要望した。この日の4大臣会合後、記者団の取材に応じた枝野経産相は「(再稼働判断の)ボールは福井県側にあるのか」との質問に対し、「どういう結論を出すのか政府が責任をもって判断する」と語った。
再稼働の判断に際して大飯3、4号機の運転を期間限定とするのかどうかの質問に対し枝野氏は「新たな(原子力の)規制機関を国会で審議いただいている。独立性を持った新たな規制機関が出来れば信頼性を高めるべく努力して、全ての原発について(最新の安全知見を反映させる)バックフィットが求められ、独立の判断がされる」と語ったが、質問には明確に回答しなかった。
(ロイターニュース、浜田健太郎 編集 橋本浩)
*内容を追加して再送します。

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