Linux開発環境の利点を活かすには、適切なツールが必要となる。本記事では、優れたツールを選び、その概要や機能を紹介する。
Linuxは素晴らしい開発環境である。しかし、適切な開発ツールが無ければ、そのような開発環境も宝の持ち腐れとなる。幸いなことに、Linux上で稼働するオープンソース開発ツールは数多くあるのだ。あなたがLinuxに不慣れである場合、どういったツールが利用可能であるのか判らないかもしれない。だが、心配は無用だ。以下に、あなたの開発をぐっとレベルアップさせる素晴らしいツールを10個紹介するので参考にしてもらいたい。
#1:Bluefish
「Bluefish」は、Web開発を行うための統合開発環境(IDE)として最も人気の高いものの1つである。Bluefishはさまざまなプログラミング言語やマークアップ言語を取り扱えるものの、動的で対話的なWebサイトの作成がその主たる目的となっている。他の多くのLinuxアプリケーションと同様に、Bluefishは軽量(同種のアプリケーションと比べると、使用リソースが30~40%ほどで済む)かつ高速である。また、複数のドキュメント(必要に応じて最高3500個まで)を同時にオープンすることもできる。さらにBluefishには、プロジェクトのサポートやリモートファイルのサポート、検索および置換(正規表現の使用も可能)、無制限のundo/redo、数多くの言語に対応しているカスタマイズ可能な構文強調表示、表示テキストのアンチエイリアス化、さまざまなエンコーディング形式のサポートといった数多くの機能が含まれている。
Bluefishにおける優れた機能の1つにQuickbarがある。これはユーザーによって定義可能なツールバーであり、右クリックして[Add To Quickbar]を選択することでボタンを追加できるようになっている。Quickbarには、どのようなHTMLツールバーボタンでも追加することができる。またBluefishには、さまざまな要素を簡単にコードに追加できるよう、シンプルなツールが数多く用意されている。DHTMLにおいて、自動サブミットが可能な選択ボックスが必要だって?簡単だ。要素をコードに追加するには、DHTMLのドロップダウンメニューから[Auto-submit Select Box]を選択し、必要な項目を入力するだけだ。Bluefishには、CやApache、DHTML、DocBook、HTML、PHP+HTML、SQLに対応したウィザードが用意されている。Webサイトを手作業で開発するのであれば、Bluefishがお薦めのツールとなるだろう。
#2:Anjuta
「Anjuta」はCおよびC++に対応しているオープンソースのIDEであり、無償で使用することができる。インストールは簡単であり(例えばMandrivaでは「urpmi anjuta」)、利用可能な機能としてはプロジェクト管理やアプリケーションウィザード、インタラクティブなデバッガ、パワフルなソースコードエディタ(ソースの閲覧やコード補完、構文強調表示などが可能)といったものがある。AnjutaチームはこのIDEを、C/C++プログラマーのニーズすべてを満たすパワフルなものとしつつ、使いやすいものにすることに成功している。
Anjutaのユーザーインターフェースは柔軟かつパワフルなものとなっており、ツールのレイアウトを、ドラッグ&ドロップによってほぼ自由に設定することが可能である。また、ユーザーが設定したレイアウトはプロジェクト単位で保存される(つまり、進行中のプロジェクトごとにさまざまなレイアウトを設定することができるのである)。さらに、Anjutaにはパワフルなプラグインシステムが搭載されており、プロジェクトごとにプラグインのアクティブ化/非アクティブ化を設定することも可能である。プラグインについては、他のオープンソースプロジェクトの場合と同様に、ユーザーはAnjuta用のプラグインを自らで開発することができる。Anjutaにおける最もパワフルなツールとして、プロジェクトマネージャを挙げることができるだろう。このツールにより、automake/autoconfをベースとする、たいていのプロジェクトファイルをオープンできるようになるのだ。またAnjutaでは、プロジェクトファイルに独自の情報を付加するようなことがないため、Anjutaを使用していない環境と併存したかたちで、プロジェクトの開発や保守を行うことも可能となっている。