Linuxカーネルの開発者であるLinus Torvalds氏が、ハードウェアが乱雑に置かれた自宅オフィスとトレッドミルデスク(ルームランナーと机が一体化したもの)を披露した。トレッドミルデスクは電子メールを読むときに使用し、コーディングには使わないという。
Torvalds氏はかなり長い時間を椅子に座って過ごしてきた。そんな同氏がトレッドミルデスクを購入したのは1月のこと。世間には早足で歩きながら電子メールの閲覧からニュース速報記事の執筆を済ませられる強者がいるようだが、Torvalds氏は歩きながらの作業はあまり生産的でないと感じている。
「私はこれを『ゾンビシャッフリングデスク』(ゾンビのように足を引きずって歩くデスク)と呼んでいる。時速1マイル(約1.6km)以上に設定したら、マウスを正確に操作できなくなり、ウィンドウを閉じられなくなるからだ」。同氏は自宅オフィスを紹介する動画の中でこう話している。この動画はThe Linux Foundationが先週公開したもの。
「開いているのはウェブブラウザといくつかのターミナルウィンドウだけだ。ブラウザは電子メールの閲覧に、ターミナルはgit pullやコーディングに使っているが、今ではコーディングをすることはあまりない」。同氏が2014年にトレッドミルデスクを購入したときに述べたように、文字入力も大変だった。
Torvalds氏は動画で、前の自宅オフィスは「がらくたで溢れている」ため、今は使用できないと述べている。「どうすればいいのかもう分からない」(Torvalds氏)
しかし、Torvalds氏が気に入っているものが1つある。子供たちのために購入した「MakerBot Replicator 2」だ。同氏が子供のときにMakerBot2を与えられたら大きな関心を抱いていたはずだが、子供たちはまだそれほど興味を示していない。
「自分が子供のころにこんなものがあったら、夢中になっていただろう。一番年上の子は学校の自由研究などに何度か使ったことがあるので、全く使用されていないわけではない」
Torvalds氏のデスクに散乱しているのは、ほとんどが古いガジェットや積み上げられたハードドライブだ。これらを見ると、同氏のテクノロジに対する考えや気持ちが少し分かる。
「どれもお金で買えない貴重な財産だと言いたいところだが、実際はただのがらくただ。テクノロジに関して言えば、私はそれほど情にもろいわけではないので、古いテクノロジはすべて使いものにならないし、新しいテクノロジで遊ぶ方が好きだ」(Torvalds氏)
そんな同氏も手放せないのがハードディスクだ。もっとも、その理由は、他人からデータを読み出されないようにハードディスクを粉砕するのが面倒だからだという。
「私は頻繁に新しいテクノロジを手に入れるが、ハードディスクは捨てたくない。そのため、過去15年分のハードディスクが文字通り積み重ねられている。データを消去するか、金槌で壊して捨てるべきなのは分かっているが、面倒なだけだ」
Torvalds氏はスキューバダイビングにも熱心なので、ダイビング用品もたくさん置かれている。暖炉の棚に隙間なく並んでいるペンギンのぬいぐるみは、「どういうわけか」同氏のもとに次々と送られてくるという。
机の前に座るLinus Torvalds氏。
提供:The Linux Foundation
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。