ネットワークトラブルには多くの原因が考えられるため、その対処は悪夢のようになることがある。クライアント側から調べるべきか、サーバ側から取りかかるべきか。問題はケーブルなのか、それとも回線か、スイッチか、ルータか、あるいはパスワードの間違いか。可能性は無限にも見える。どんなネットワーク管理者でもいくつかのコツを知っているはずだが、最初に試してみるべきことの簡単なリストがあれば、ネットワークのトラブルシューティングははるかに楽になる。
ここでは、ネットワークのトラブルシューティングをより素早く、より標準的なものにするためのヒントをいくつか紹介する。この記事では、サポート対象となる顧客の多くを占める小規模な企業を想定する。全く同じネットワークなど存在しないため、どこでも同じやり方が通用するわけではない。しかし、系統だったアプローチは問題の特定に役立つはずだ。
1.顧客のコンピュータから始める
ネットワークトラブルの報告があった場合、まずは報告者のマシンから調べ始めるのが論理的だ。それは常識だと思うかもしれないが、実際には、問題が報告されるとまずサーバの調査に飛びつく管理者が驚くほど多い。クライアントマシンから最初に調べるようにすれば、プロセスはずっと簡単になる。わたしがいつも最初に顧客に尋ねるのは、外部ネットワークや社内ネットワークにアクセスできるかということだ。もし、相手がこちらの言うことをよく理解できない場合は、ウェブブラウザを開き、Goolgle.comを見て欲しいと伝える。見えるようなら、次にマシンに割り当てられたネットワークドライブにアクセスできるかと尋ねる。これらの質問の答えがわかれば、最初にどこから手をつけるべきかがわかる。
2.クライアントマシンの問題を絞り込む
クライアントマシンからネットワークが見えなければ、別のクライアントマシンを試してみる。もし、2台目のクライアントマシンからはネットワークが見えるのであれば、問題は最初のクライアントマシンにある。次のステップは、そのマシンが物理的にネットワークにつながっているか確認することだ。もしつながっているようなら、(ハードウェアの問題を切り分けるために)無線ネットワークを試してみるか、セーフモード(とネットワーキングのモード)でリブートし、マシンが感染していないか確認する。もしクライアントマシンに問題がないようであれば、ラップトップを持ち込んでそれをネットワークにつなぎ、コネクタやケーブルの問題でないことを確認する。問題が特定のマシンのみで発生し、それが無線の問題であれば、クライアントマシンの無線機能が有効になっていることを確かめる。多くのラップトップは、バッテリーを節約するため無線機能を無効化できる。これが原因だったことが過去に何度あったことか。
3.スイッチやモデムをリブートする
サーバを最後にまわしつつ問題を解決するための次のステップは、問題はスイッチかもしれないと疑ってみることだ。もしクライアントマシンが正常な状態であり、顧客のネットワークに別のマシンをつないでもネットワークにアクセスできなければ、コネクタよりも先に問題がある。わたしならここで、スイッチ、ルータ、モデムを調べる。これは、ケーブルテレビネットワークやDSLで接続している小規模な顧客ではうまくいくことが多い。電話越しにネットワークの問題に対処している場合には、特にこのステップが有効だ。これには、顧客にモデム、ルータ、スイッチをリブート(あるいは電源を再投入)するように頼めばいい。その後、接続性を再びチェックする。これでもうまくいかなければ、同じことを繰り返し、(DHCPに問題がある場合に対処するため)今回はコンピュータもリブートするよう顧客に伝える。もしそれがうまくいかなければ(そしてほかの手段も失敗であれば)、問題はプロバイダにある可能性が高い。自分でプロバイダに電話するか、顧客に電話してもらう。もしプロバイダが問題はないと報告してきたら、今度こそ問題を掘り下げる時だ。