IDC Japanは4月10日、1月に実施した従業員規模999人以下の中堅中小企業(SMB)を対象とした「国内中堅中小企業ユーザー調査」の結果を発表した。2014年度のIT支出予算は、前年度から「増加する」が、前年度比3%増の43.0%、「減少する」は同比3%減の17.6%だった。IT支出予算の拡大を検討する企業が増えている。
SMBでは、景気回復の影響により、これまで業績低迷のために凍結されていたシステム刷新が、2014年度以降に再開することが予測され、一部では新規投資も増加が見込まれるとした。ただし「消費税増税」「アベノミクス」の減速などの影響で、景気が冷え込む可能性もあると指摘している。
SMBが抱える経営課題としては、「売上拡大」を挙げる企業が最も多いが、「人材不足対策」「従業員育成」といった人材面に関する課題を挙げる企業が2013年1月時の調査よりも増加している。これは、SMBでも業績が回復に向かう企業が増加しており、人材不足が深刻であるためとした。
一方で、ITを活用して人材面の課題解決を期待するSMBは、他の経営課題と比較して少ないままという。今後も人材面の課題を抱えるSMBは増加が予測され、人材面の課題解決を支援するIT製品やサービスのニーズは高まるとした。
IDCは、国内SMB向けIT市場では、中長期的にはサーバの仮想化/統合化、パブリッククラウドの利用拡大などにより縮小傾向と予測、市場拡大を図るためには、SMBが抱える経営課題を踏まえた新規分野の開拓が重要と強調した。
国内中堅中小企業および大企業の2014~2015年度 IT支出予算増減率(IDC提供)