UPDATE Microsoft関係者らは米国時間7月11日、全社にわたる最新の組織再編に関する詳細を発表した。今回の組織再編は、スリムで競争力の高い、デバイスおよびサービス企業への変革を支援することが意図されている。
最初の決定事項として、Steve Ballmer氏が最高経営責任者(CEO)として留任する。最高幹部に変更はない。また基本的に、今回の組織再編で新しい役職に就任した他の顔ぶれもすべて、同社で既におなじみの面々だ。
新しいMicrosoftは、一部の人々が考え、聞いていたように、デバイスとサービスの製品ラインに沿ってきれいに分割されることにはならない。新体制は、それよりもやや複雑な構造になっている。
Microsoftに現在ある5つのビジネス部門で、それぞれにプレジデントと最高財務責任者(CFO)が存在していた「Windows」「Server and Tools」「Microsoft Business Division」「Entertainment and Devices」「Online Services」は廃止される。
今後は、Microsoftの3つすべてのOSを1つの部門に統合し、より多くの技術やコンポーネントを共有できるようにする。また、Microsoftのすべての製品ラインに対するマーケティングおよびビジネス戦略は今後、個々のビジネス部門から、一元化された全社的なグループへと移管される。
上記のような変更が今後数カ月間で段階的に導入される予定だが、Microsoftのおよそ10万人に及ぶ従業員の一部は、ほぼ直ちに新しいグループで業務を開始する予定である(筆者の聞いた話では、11日に発表された組織再編にレイオフは伴わないようだ)。
幹部陣の新しい役職
新体制の下でBallmer氏直属となるのは、4つの新しいエンジニアリンググループの統括者らと、新たに一元化された職務グループを統括する数人の幹部らである。新しい統括者らのほとんどは、同社を知る人々にとってはおなじみの顔ぶれである。新しいエンジニアリンググループの4人の統括者は以下のとおり。
Terry Myerson氏。現在「Windows Phone」エンジニアリングを統括する同氏は今後、新しい「Operating Systems Engineering Group」を統括する。Myerson氏は、「Windows」、Windows Phone、「Xbox」の各OSを対象とするエンジニアリングを指揮する予定。「Xbox Live」など、これらのOSに直接関連するものもすべて、この新しいOS部門の下で管理される。これらのOSは現在すべて、「Windows NT」をベースとする共通の「コア」上で稼働している。
Qi Lu氏。現在MicrosoftのOnline Services Divisionを統括する同氏は今後、新しい「Applications and Services Engineering Group」を統括する。Lu氏は、「Bing」「MSN」「Office 365」「Office」サーバとクライアント、「Dynamics CRM」「Dynamics ERP」「Skype」「Yammer」「Lync」のエンジニアリングを担当する。
Satya Nadella氏。現在MicrosoftのServer & Tools Business(STB)を統括する同氏は今後、新しい「Cloud and Enterprise Engineering Group」を統括する。Nadella氏は引き続き、「Windows Server」「System Center」「SQL Server」「Visual Studio」、そして、その他すべての現行STB製品のエンジニアリングを統括するとともに、同社の「Global Foundation Services」部門を統括する。
Julie Larson-Green氏。現在WindowsとSurfaceのエンジニアリングを統括する同氏は今後、新しい「Devices and Studios Engineering Group」を統括する。Larson-Green氏はこの新しい役職において、「Surface」、Xbox、マウス、キーボード、ゲーム、エンターテインメントのエンジニアリングを指揮する予定。