Microsoftは米国時間8月12日、「Azure RemoteApp」テクノロジへの取り組みを「縮小」し、パートナー企業であるCitrix Systemsの仮想化ソフトウェアとサービスを採用すると発表した。
Microsoftによると、既存のAzure RemoteApp顧客に対するサポートは2017年8月31日をもって終了する計画だという。またAzure RemoteAppを新規購入できるのは2016年10月1日までとなっている。
12日付けの同社のブログには以下のように記されている。
顧客からは、『Windows』アプリを配信するための、エンドツーエンドの、そして包括的なクラウドベースのソリューションを望む声が継続的に寄せられてきている。この要望に応えるには、Citrixと協力し、同社が現在開発しているXenApp『express』を利用するのが最善の道だと判断した。XenApp『express』は、Azureが提供してきた遠隔地からのアプリケーション利用のシンプルさとスケーラビリティに、XenAppのセキュリティや管理、パフォーマンス面での長所を組み合わせることで、Windowsアプリケーションをどのような従業員やデバイスにも配信できるようにする製品だ。今後、この新製品についての情報を適宜提供していく。
一方Citrixは、Microsoftが次世代の「Citrix XenApp」と、関連する「XenDesktop」サービスの開発を支援していくと、少し異なった表現で説明している。
Citrixの12日付けのブログには以下のように記されている。
この取り組みを機に、Microsoftは先ほど、Microsoft Azure RemoteAppサービスの終了を発表するとともに、次世代のサービスを開発するCitrixの取り組みへの支援を強化する意向を明らかにした。未来のCitrix XenApp『express』は、Microsoft Azure RemoteAppが持つシンプルさとスピードを、Citrix XenAppが持つ数多くの企業向け機能と組み合わせることで、クラウドからのアプリ配信に革命をもたらすものになるだろう。
Citrixは「このXenApp『express』サービスは多くの点で、Azure RemoteApp v2.0とでも言うべきものとなる」とも記している。
Azure RemoteApp(開発コード名:「Mohoro」)は、Windowsアプリケーションを配信し、さまざまなデバイスからのアクセスを可能にする製品だ。Microsoftは2014年12月にRemoteAppの一般提供を開始している。筆者の複数の情報筋が語ったところによると、MicrosoftがRemoteApp、すなわちMohoroを開発中であるという話を聞き及んだCitrixは(当然ながら)、この分野へのMicrosoftの進出を快く思わなかったという。
Azure RemoteAppは、「サービスとしてのデスクトップ」(その多くはアプリの効率的な配信を目指している)を提供する他社製品とは位置付けが異なっており、どちらかというとリモートアクセスサービスというべきものだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。