2015年11月、マイクロソフトは「Microsoft Azure」上で「Red Hat Enterprise Linux」をネイティブにサポートすると発表した。これまで仲が良いとは決して言えなかった2社の提携は、業界をかなり驚かせるものだった。実際この2社が協業することで、どんな変化が生まれているのだろうか。その詳細は、5月開催の「de:code 2016」で語られるが、それに先がけ、レッドハット株式会社の大溝桂氏と、日本マイクロソフト株式会社の新井真一郎氏、寺田佳央氏に話を聞いた。
左から、日本マイクロソフト マーケティング&オペレーションズ クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSSエバンジェリスト 新井真一郎氏、レッドハット サービス事業統括本部 OpenShift ソリューションアーキテクト 大溝桂氏、日本マイクロソフト デベロッパー・エバンジェリズム統括本部シニア・テクノロジー・エバンジェリスト 寺田佳央氏
新井:まずは大溝さん、自己紹介をお願いします。
大溝:私は、レッドハットのサービス事業統括本部で、PaaSである「OpenShift」のソリューション アーキテクトをしています。日頃はOpenShiftを皆さんに理解してもらうために、さまざまなことを行っています。ハンズオンのセミナーをやったり、顧客のOpenShift導入のためにPoC(Proof of Concept)の支援なども行ったりしています。
レッドハットに入ってからはまだ4年ほどです。新卒でSun Microsystemsに入社し、Javaのコンサルタントの部隊で働いていました。実はSunの頃、寺田さんとは同じ部署にいました。今はお互い違う会社、それも日本マイクロソフトとレッドハットという、以前ならならまったく交わることのなかった会社で、こうして話をしている。すごく不思議な感じがします。時代は変わりましたね。
寺田:私はずっとSunにいて、UNIXの文化の中にいました。マイクロソフトとは異なる文化の世界にいた2人が、今こうして日本マイクロソフトの会議室で再会するとは、確かに不思議な感じがしますね。ところで、Javaをやっていた大溝さんがOpenShiftをやるようになったきっかけを教えていただけないでしょうか?
大溝:レッドハットに入って、最初はRed Hatから提供しているミドルウェアである「JBoss Enterprise Middleware」のプリセールスSEとして働いていました。その後、OpenShiftが登場し、担当することになります。Sunでお客様向けの基幹システム開発をし、場合によっては保守までもやっていました。これは、今考えれば「1人DevOps」みたいなもので、そういった経験があったので、上司が「PaaSを扱うには向いているだろう」と判断したようです。
新井:大溝さんはJavaエンジニアであり、DevOpsの経験もある。そして今は、PaaSを担当しているわけですね。
私の自己紹介としては、日本マイクロソフトの中でOSSリードという立場になります。”OSS”はオープンソースストラテジーの略で、すなわち、オープンソースの戦略を立案し、広める活動をしています。具体的には、日本のお客様やパートナー様、そして個人の方々にAzureでオープンソースをたくさん使っていただき、皆様がもっとたくさんのことをできるようにお手伝いするのがミッションです。そのために、社内外でオープンソース利活用の促進に毎日走り回っています。社内では、寺田さんのような人たちと一緒に行動することが多いですね。
ちなみに、マイクロソフトとRed Hatは昨年末からの関係ですが、私個人では前職時代から数えて10年以上お付き合いしています。