Microsoftは2016年1月12日に、最新バージョン以外の「Internet Explorer」に対するサポートを公式に終了する。古いバージョンを使っているユーザーは驚くほど多いが、アップグレードしなければ深刻な問題に直面するはずだ。では、なぜ彼らはアップグレードしないのだろうか?
Microsoftは、各バージョンの「Windows」でサポートしている最新バージョン以外のInternet Explorerについて、アップデートの提供を終了する。同社が警告を出したのはほぼ2年も前だが、古いバージョンのInternet Explorerを利用している人の数は、驚くほど多いようだ。
では、実際にどのくらいの人がデスクトップPC、ノートPC、Windowsを搭載したハイブリッドPCで、Microsoftのブラウザ(Internet Explorerおよび「Microsoft Edge」)を利用しているのだろうか?また、1月以降セキュリティアップデートを受けられなくなるのは、そのうちどのくらいの割合なのだろうか?これらの疑問に対する回答を得るのは、思ったよりも難しかった。
実際、ブラウザやオペレーティングシステムの利用シェアに関して、信頼できるように思えるよく引用される3つの情報源を比較すると、その数字は滑稽なほどかけ離れている。この記事では、1つの情報源だけを採用するよりも、3つの数字を並べてみることにしたい。これによって、多少は状況が見えてくるかもしれない。
まず、どれほどの人がMicrosoftのブラウザを使っているのだろうか?
これを調べるため、世界のデスクトップ用ブラウザシェア(2015年9~11月の3カ月間)をバージョンごとに見てみた。その結果は次の通りだ。
左側の数字が、Microsoftのデスクトップ用ブラウザ(すべてのバージョンのInternet Explorerと、Windows 10でのみ利用できるMicrosoft Edge)のパーセンテージを示している。
デバイスの数ではなくページビューを計測しているStatCounterによれば、世界のデスクトップPCとノートPCからのウェブトラフィックのうち、Microsoftのブラウザはわずか18%にすぎない。StatCounterの数字では、Googleの「Chrome」が圧倒的な1位で、調査対象期間の世界のページビューのうち、平均で57%を占めている。
個々のデバイスから米国政府のウェブサイトへのアクセス数をカウントしている「U.S. Digital Analytics Program」(DAP)では、ありがたいことにデスクトップとモバイルの数字を分けて発表している。その数字によれば、この3カ月間を対象としたデスクトップからの約10億回のアクセスのうち、Microsoftのブラウザからのものは35.8%だった。残りをChromeや「Safari」「Firefox」「Opera」、そしてその他少数の無名のブラウザが分け合っている。
最後は、元データに地理的な偏りに対する修正を加え、読み込みはされるが通常は表示されないページの数字を除いて算出されたNet Market Shareの統計だ。Net Market Shareは、調査対象期間中の、WindowsやOS Xなどのデスクトップ用OSを使用しているデバイスからの世界のウェブアクセスのうち、Microsoftのブラウザは50.7%を占めるとしている。
これらの数字を総合すると、普段からMicrosoftのブラウザを使用しているWindows PCの数は、最小で2億台、最大で8億台ということになる。
これでは、あまりに幅が大きすぎて、状況が絞り込まれたとは言えない。