MariaDBは「MariaDB Enterprise」の最新版で、データベースアプリの高速な実装にフォーカスした機能強化を行う。目玉となるのは、「Docker」コンテナと「Chef」自動化フレームワークのサポート改善だ。
MariaDB Enterpriseは、「MySQL」のフォークであるMariaDBのバイナリにツールとコネクタを加えたものだ。今回Dockerイメージの提供、それにChefクックブックシナリオ定義とレシピも用意する。
MariaDBのCEO、Patrik Sallner氏
提供:MariaDB Corp
「開発者にとっても、運用担当にとっても、データベースそのものの機能よりも、全体の実装のなかでのデータベースの使いやすさが重要になっている」とMariaDBの最高経営責任者(CEO)、Patrik Sallner氏は述べる。
「DevOpsに責任を持つ人が増えている。これまでは開発者はデータベースに大きな責任を持たなかったが、たとえばデータベース管理者(DBA)がSQLスクリプトを書く機会が増えている。そこでわれわれは開発者がデータベースを効率よく動かすためのツールを提供していく」とSallner氏。
MariaDBはコミュニティーによって開発されたブランチで、フォーク元となるMySQLはSun Microsystemsが2008年に10億ドルで取得した。Sunはその後、Oracleにより2010年に74億ドルで買収された。その間、MySQLの最初の開発者の一部がSunを去り、MariaDBを開発した。商用MariaDBのベンダーであるSkySQLは2014年10月、社名をMariaDBに変更した。
「われわれがやっていることは、MariaDB EntepriseのDockerイメージの提供だ。異なるコンポーネントが含まれており、Dockerコンテナを用意することでコンパクトで標準化されたソフトウェアコンポーネントを提供できる。さまざまな異なる環境で動かすことができるし、同一の標準的な方法で利用しながら柔軟に環境を切り替えることも可能だ」とSallner氏は説明する。
「Chefにより、異なるタスク向けのクックブックでレシピを提供でき、これを利用してMariaDB Enterpriseの設定、実装、管理ができる。事前にパッケージされているので、ユーザーはChefの基本的なツールキットを利用するよりも簡単にMariaDB Enterpriseを実際にインストールして実装できる」とSallner氏。
コミュニティー版のMariaDBサーバのバージョン10.1は現在ベータとして公開されている。一般公開は数週間後の予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。