Twitterの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)であるEvan Williams氏は米国時間12月2日、サンフランシスコで開催のChurchill Clubイベントで、同社が収益モデルの実現に手間取っているとの批判をまたもはねのけた。
最初Williams氏はこの問題について少し戸惑った様子だったが、「収益は上げる。しかし方法について具体的には言えない。われわれのビジネスがどうなるか予測ができないからだ」と述べ、以前同様、販売に関連したTwitterコンテンツと企業ユーザーへの課金を示唆した。
しかし、インタビューが進むにつれWilliams氏には実際に計画があるとの印象を受けた。同氏はコンシューマーパッケージ製品の大企業数社と交渉が進んでいることを明らかにした。社内サービスを販売するのかTwitterフィードを使用した事業を支援するのか、いずれにしろ期待がもてる。
Williams氏は「第1四半期の収入に注目している」と述べた。これは米国経済危機前の元の計画とは異なる。「当初2010年の収入に焦点を当てていたが、状況は変わった。2009年の資金調達は避けたい」(Williams氏)
収益計画は広告やスポンサーシップだけではない。「製品主体の収入を上げたい。Googleは規模を拡大できるものを構築した。われわれも同じ道を行くつもりだ」
小さな会社であるTwitter(社員25名)にとってGoogleは巨大なモデルであり、Williams氏の落ち着いた様子はその野心とは裏腹だ。「6年間Bloggerに取り組んできたが、Twitterほど大きくはない。Twitterに比べるとBloggerは小さく感じる」(Williams氏)
Williams氏は、Googleが2003年に買収したBloggerの共同設立者である。このことから、同氏にインタビューしたKevin Maney氏が興味深い質問をした。「MicrosoftやYahoo」がTwitterの直接の競合事業を立ち上げることについて不安を感じるかというものだ。それに対してWilliams氏は「MicrosoftやYahooはそうする(計画している)と確信しているが、不安などない。1つの領域に特化することは大事だ。Googleでさえこの問題にはつまずいている。検索や広告の方が重要だ。革新者のジレンマは規模の大きい会社で不利に働くものだ」と述べた。
つまり、Twitterは小規模を維持することで(少なくとも新規分野に参入しないことで)成長する計画なのだろう。
Twitterの機能拡張については、いくつかのプロジェクトがリストに載っている。Williams氏は、要求が最も多い機能はグループ分けであり、現在このプロジェクトが進行中だと述べた。この機能によってユーザーはTwitterでの友人をサブネットワークに分け、特定のグループに一定の情報を送ることができる。また、ビジネスでもより役立つツールになるだろう。
Williams氏はまた、初心者がTwitterに入りやすくする方法に取り組んでいると述べた。「現在誰もがTwitterを使用しているのはすごいことだ。利用が難しいツールだから」
会見を終え、筆者のWilliams氏に対する信頼感は今までより高まったが、同氏が言うほどTwitterが成長するかどうかはまだ確信がもてない。構想が小さいからではなく(実際大きいのだが)、マイクロブログサービスが自然独占状態になることに確信がないからだ。ソーシャル系サービスは相互運用の傾向にある。また、ある技術領域で最初に起業した会社がその領域を支配することになるとの確証もない。例えば、Googleは検索エンジンの分野で最初の会社ではなかったし、MySpaceも最初にソーシャルネットワークを始めたわけではなかった。テクノロジの経済においてマイクロブログサービスは草創期にあり、Twitterも同様に始まったばかりである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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